DJと世間平和について考えてみたら、わりとマジな話になった

DJって何してる人?って聞かれたら、「音楽かけてる人」って答える人、多いと思うんですよ。

うん、それ間違ってない。でもね、実際はもうちょっといろいろやってるし、もっと言うと、結構深いところまで関わってたりする。

で、今回ふと思ったんです。「DJって、もしかして平和にも貢献してるんじゃないの?」って。いやいや、DJで世界が救えるか!って思うかもしれないけど、ちょっとだけ話を聞いていってくださいな。

その場を「平和」にする仕事

まずね、クラブとかフェスとかの現場って、いろんな人が集まってくる場所なんですよ。年齢もバラバラ、国籍も違えば、生き方もバラバラ。中には一人で来てる人もいれば、仲間でワイワイしてる人もいる。でもさ、フロアで音が鳴った瞬間、全員が同じビートで体揺らしてるわけ。それってすごくない?

普段だったら絶対に交わらないような人たちが、音楽っていう共通言語の中でつながってる。差別も偏見も、少なくともその瞬間だけは横に置いてる。むしろ、違うことがカッコよかったりするんだよね。「この人どこから来たんだろう」「なんかおもしろい踊りしてるな」とか、そういう“違い”を楽しむ空気がある。

そう考えると、DJって、その空間を作り出す指揮者みたいなもんなんです。言葉も文化も超えて、人の心をちょっとだけやわらかくする。それって、ちっちゃいけど確実に「平和」だよね。

多様性と共存のミックス

DJのプレイって、ジャンルのミックスなんですよ。ヒップホップ、レゲエ、ハウス、テクノ、アフロビート、和モノ…なんでもあり。それぞれ違う文化圏から生まれた音楽を、違和感なくひとつの流れにしていく。これって、いろんな人種や価値観が共存する社会の縮図っぽくない?

たとえば、ある夜のセットリストに、アフリカの太鼓が響いた直後に日本のシティポップがかかって、そのあとアメリカの90’sヒップホップがくる。そこに違和感を感じないのは、DJがそのつなぎ方を知ってるから。そして、それを受け取るフロアの人たちも、自然とその流れを受け入れてる。これは小さな「共生」の形だよなぁと思う。

音楽を通して、無理せず他文化に触れられる。しかも、楽しく。難しい言葉もいらない。ただ気持ちよく踊ってたら、いつのまにか知らない国の音楽が好きになってる。それが、DJが起こす「小さな革命」なんです。

社会への声を届ける手段としてのDJ

実はDJって、ただ楽しい音楽をかけるだけじゃなくて、メッセージも発信できる存在なんです。特にヒップホップやレゲエのシーンではそれが顕著で、差別、貧困、暴力へのカウンターとして音楽を使ってる。ブロンクスのDJ Kool Hercが、銃や暴力じゃなくてスピーカーとターンテーブルで若者たちに表現の場を与えたのがその始まり。

今も、世界中のDJたちが、サンプリングやMC、映像演出なんかで社会的メッセージを届けてる。戦争反対、気候変動への警鐘、LGBTQ+の権利問題…全部、音楽の中に仕込んでる。聞き手に押しつけずに、でも確実に心に残る。そんなやり方、けっこうかっこいいよね。

そして、このスタイルが受け入れられる空間が、クラブだったり、フェスだったりするってのも重要。「政治の話はやめようよ」って空気じゃなくて、「そういう話も大事だよね」ってちゃんと受け止められる土壌がある。これもまた、平和への小さな一歩。

DJにできること、リスナーにできること

じゃあ、これを読んでるあなたは何ができるか?って話になるんだけど、別にDJになれって言ってるわけじゃない。でも、クラブに行ってみたり、違うジャンルの音楽を聴いてみたり、他人とちょっとだけ違う視点で会話してみたり。そういう小さな行動が、実は「平和の種」だったりする。

音楽はね、思ってる以上に人の心を動かす。無理に何かを主張しなくても、「あの夜のあのDJのプレイで、なんか救われた気がした」っていう体験は、意外と一生残る。そしてそれが、他の誰かへの優しさにつながる。連鎖していくんだよね。

おわりに

「DJで世間が平和になるわけないだろ」って言われたら、それはたしかに正論。だけど、たった一晩の、たった一曲の中に、確かに“平和のかけら”はある。言葉じゃなくて、ビートでつながる。違いを恐れず、むしろ楽しむ。それがDJの現場でずっと起きてることなんです。

音楽って、ただの娯楽じゃない。人を守る盾にもなるし、人と人をつなぐ橋にもなる。そしてその音を選んで届けてるのがDJなんだから、もうちょっとリスペクトされてもいいんじゃない?

というわけで、「DJと世間平和」って、意外とガチな話だったでしょ。今日もどこかで誰かが、知らない誰かの心を音で癒してる。そう考えると、世界もまだまだ捨てたもんじゃないよね。

スポンサーリンク
ABOUT US
AkibaRyuji
東京生まれ東京育ち。元水球とラグビーの選手。原宿クロコダイルや本牧ゴールデンカップなど老舗ライブハウスやミュージックバーなどでDJ展開中。得意なジャンルはSoul Music やDiscoMusic。SoulBarをつくるのが夢。