こんな着物見たことない!友禅作家・春風さんインタビュー【前編】

突然ですが、9月27日は何の日でしょう?そう、山口の藩士・高杉晋作の誕生日ですね!

え?だから何って?いやあ、最近出会った着物アーティストさんがなかなかの高杉晋作フリークでして。あまりの無我人っぷりに、話を聞いていたら私も少しだけ高杉晋作について詳しくなっていました!

今回お話を伺ったのは、友禅作家春風(はるかぜ)さん。友禅染めの着物や、着物の生地を使ったアクセサリー製作などを行っています。サイトはこちら

彼女の作品は日本の伝統を大切にしつつも、旅や歴史から得たインスピレーションが詰め込まれていて、非常にユニークなんです。

スペインのカラフルなタイルや、フランスのベルサイユ宮殿から着想を得て、自分なりの表現に落とし込んだ作品なんて、見たことありませんよね?

この日は、最近ずっと製作していたという着物や色差しの製作工程などを見せてもらいました。

「着物ってよくわからないけど、実はちょっと興味あるかも?」というそこのあなた!春風さんの話作品に触れたらその奥深さにきっとワクワクしてくるはず。

ハンガリーの教会が着物に?!

——うわあ、すごいカラフル!私が知っている着物じゃないです!

これはハンガリーのマーチャーシュー教会をモチーフにした着物です。教会の中の装飾がめちゃくちゃ美しくて、そこから着物のデザインを思いついたんです。

巷では着物警察とか言いますけど、もっと自由で良いんじゃないかと思うんですよね。だから自分が好きな柄とか色で、一から全部自分で作ってます。

——全て一人で!?製作期間ってどのくらいかかるものなんでしょう?

デザインから縫い上げまで、完成に半年かかりました。多分、これの製作だけに集中すれば3〜4ヶ月でできると思います。

元々が旅好きで歴史好きなので、色々な国や地域に行っては、目で見ていいなと思ったものを着物に取り入れてます。

作業部屋の写真立てにも春風さんの作品が
可愛いピアスも一つ一つ手作り

高杉晋作に無我夢中!歴史と着物の深い関係

——歴史好きとのことですが、そもそものキッカケは?

実は、私が歴史好きになったのは高杉晋作がキッカケでした。実家が古い日本家屋だったのもあって、元々は日本文化が好きだったんです。

——高杉晋作……名前しか知らないのですが、どこらへんに惹かれたんですか?

読書も好きなのですが、ある時、伝記にハマって偉人の格言集みたいなのを読んでいました。和歌や短歌を見ていたら高杉晋作の作品があって、そこから色々な情報を漁って、気付いたらハマっていたんです。

おもしろき こともなき世をおもしろく 住みなすものは 心なりけり

この『おもしろきこともなき世におもしろく』という部分が私にとっては特別で、まさにこの句で高杉晋作にハマりました。

製作中の春風さん

あの有名な辞世の句、実は弱気だった?

——その句は知っていましたが、高杉晋作だったんですね!

よくこれをモットーにする人も多いけど、実は弱気な歌だと思うんですよね。でも、むしろそこに共感したというか。

というのも、この句は「このつまらない世の中を面白くするにはどうすればいいか」という意味ですが、実は下の句があって、上の句を励ますような連作になっているんです。

やってやるぜ!というより、どうしたらいいんだろうか?と弱気に感じられるんですよね。

だからこそ、そこらへんの気の持ち方とかは、自分の土台にもなっているかもしれないです。

——悩みながらも世の中を良くしていこうという気概を感じますね。やっぱり高杉晋作の生誕地とかも行かれるんですか?

高杉の故郷である山口県萩市には、毎年命日にも行ってます。

新たに発見される資料を求めて……

高杉晋作ってこれだけ知られているのにいまだに研究がされているんですよ。先週の「開運!なんでも鑑定団」(テレビ番組)にも新しい資料が出てました。

——いまだに!?

ここ10年くらいで研究が進んで実際は「おもしろきこともなき世おもしろく」だと分かったんですよね。

——ええ!?句がちょっと違ったってすごいですね。

本当に。だから新しい資料とかは結構チェックしてます。

——和歌や文豪や他にも色々なものから作品が生まれそうですね。

太宰治とかもいいですね。彼の感情豊かな作品を着物に表現したいなって思うこともあります。

渋谷ロフトでPOP-UPが開催中!

話しながらもますます創作意欲が膨らんでいる様子で、春風さんの話を聞いていると歴史に興味が湧いてきます。

仕事柄、たまーに着物を見ることはありますが、春風さんのカラフルでエキゾチックな柄は初めて見ました。デザイン、縫いから色付けまで全て一人で行われているなんて、信じられません。

インタビューはまだ続きますが今回はここまで!

なんと今、渋谷のロフトで春風さんが製作しているアクセサリーのPOP-UPショップが展開中とのこと!!すごいすごい!!

今回のPOP-UPではこんな可愛いピアスが販売されているそうです!お近くの方も着物好きな方も、ぜひ行って!!

ピアスの製作風景

場所:渋谷ロフト1階 ギフト雑貨売り場

高杉晋作 情熱と挑戦の生涯 (角川ソフィア文庫)

高杉晋作 情熱と挑戦の生涯 (角川ソフィア文庫)

一坂 太郎
564円(11/19 11:29時点)
発売日: 2014/07/25
Amazonの情報を掲載しています
スポンサーリンク