「世界2」が生まれるまで《排熱日記》13

あなたはかみさまに質問を投げかけたことはありますか?

投げかけたとき、その答えはもたらされましたか?

もし、答えがもたらされなかったとしたらどんな気持ちになりますか?

わたくし、今回の個展「いぬとかみさま DOG&GOD」では大きい作品を3点描きました。そのうち1点はかみさまに問いを投げかけて、その答えをもらうことが出来て作品が完成しました。

今回はそんなお話になります。

「世界2」という作品がそれです。

タイトルの「世界2」には、「世界」の続編であるという意味と、新たに生まれ変わった世界、再生と希望を象徴するという意味も込めました。

かみさまへの問い

今年の11月に屋根のお仕事で輪島に行ったのですが、目の前の惨状を見たとき、ただ無力感に襲われました。

かみさまはなぜ、この美しい世界にこんな苦しみをおゆるしになるのか。問い続ける中で、それは怒りにも似た感情に変わっていきました。

かみさまのなさることに疑問を抱くなんて、実に愚行であることはわかっていながらも、そう思わずにはいられませんでした。

自分が目の当たりにしたのは輪島でしたが、輪島に限らず、世界中のあちこちで天災や戦争、飢餓などの苦しむ出来事が起きている。

かみさまが存在するなら、なんでこんなことをおゆるしになるのか……

無知なわたくしにはそれが理解できないし、そんなことはなさらないで欲しいんです!といういう思いを作品にぶつけました。

創作のプロセス 進まない筆

美しい世界とそれが破壊される様。そしてそれを見つめる犬。そこまでは脳内では描き上がっていました。

今回の「いぬとかみさま」における犬はわれわれ人間の中にある「かみさまへの忠誠心」「無知」の象徴として描いています。

こんな美しい世界の中で、かみさまはなぜこのようなことをなさるのか……

そんな思いをぶつけ続け、12月1日ここまで進みました。ここで筆が止まりました。

ここから先はかみさまからの返信待ちです。

完成の瞬間

「いぬとかみさま」に取りかかり始めてからは出来るだけ朝晩1時間ずつくらい時間をとって、瞑想のための準備と瞑想をしながら日々を過ごしていました。

「世界2」は自分の思いが強すぎたのか、かみさまからの返信はなかなかきませんでした。

未完のまま展示するのもありなの……?

そんなことを考えながらも、ギリギリまで粘っていたらやっと少しずつ観えてきました。

暗い大地がぱっくりと裂けたような地割れから、初めは小さな緑が顔を出し、やがて色とりどりの花が咲き始めました。それは新たな命の息吹そのものでした。

そこに咲く花の意味もわからず、ただただ観えた花を観えた場所にひたすら描いていきました。

犬の目には、破壊された世界を見つめながらも、ただひたすらにかみさまを信じて疑わない純粋さも宿っています。

完成したのは搬入当日の朝のことでした。

受け取ったメッセージ

完成して、作品を眺めてやっとかみさまからのメッセージを受け取ることができました。

われわれ人間は点で捉えがち。世界は大きな生命活動の循環の中にあるんだけれども、なかなか全体として捉えることはできない。

破壊と維持と創造の循環の中にかみさまの愛が詰まっているんだけれど、小さな世界しか見えないとそれに気がつくことも難しい。

かみさまの観点で物事を捉えることは出来ないわれわれのことをかみさまはいつでも見てくださっている。

それぞれの花言葉

あさがお 「愛情」「結束」
山つつじ 「燃える思い」「努力」「訓練」
ボタンボウフウ「長い時間のつながり」
せんだん 「意見の相違」
満月草シオン 「追憶」「あなたを忘れない」
藤 「優しさ」「歓迎」「忠実な」「決して離れない」
山吹 「気品」「崇高」「待ちかねる」

花言葉を通じて、かみさまが伝えたかったのは、この世界が破壊だけでなく、愛や努力、そして希望によって形作られているということだったのかもしれません。

そんなふうに受け取りました。

自由に感じてほしい

とはいえ、作品を見てどう感じるかは人それぞれ。

受け取り方に不正解はなくて、その人の受け取ったものがその人へのメッセージなんだと思います。

かわいいと感じたり、ちょっと不気味と感じたり。どんなふうに感じたとしても、それはあなたの中にあるものの反映です。

なので、作品を見て感じたことをよかったら聞かせてください。ギャラリー内のテーブルにノートとペンをご用意しておりますので、感じたことをぜひご自由にお書きください。みなさまの言葉が、また新たな視点として世界が広がります。

ほりたみわ展「いぬとかみさま DOG&GOD」概要

・会期:2024年12月7日(土)〜2025年1月13日(祝) 13時〜18時
・休み:火〜木、2024年12月28日(土)~2025年1月9日(木)
・会場:art cocoonみらい(長野県千曲市土口378-1)
・入場無料(予約不要)
・作品点数:43点

2024年12月7日(土)15時〜16時 定員20人(要予約) 参加料1000円
・音楽・ダンスパフォーマンス「SOUND&DANCEライブ」 出演:中島水(音楽)/鈴木彩華(ダンス)
※展覧会イメージに合わせたパフォーマンスを行う
2025年1月12日(日)15時〜16時 定員20人(要予約) 参加料1000円

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ABOUT US
ほりたみわ
クリエイター(イラスト、漫画、熊手、ヒーリング、瓦職人) チーママをやっていたスナックランデブーは魂のかたわれ、はるじが肉体の衣を脱いだことにより閉店しました。ときどき企画&プロデュサー。どこにも偏り切れないカラフルな人。