サティヤヴァティーから驚きの過去が!!
※【バガ楽】はマハーバーラタの登場人物とその相関図を把握することでたくさんの人が「バガヴァッド・ギーター」をより楽しめたらいいなというものです。
ビーシュマは王女3人を強奪したものの、長女アンバーは他の国の王と約束してたと聞いて、帰したというところまででしたね。
ざばっと復習
ホワイトボードにシール貼り付けたみたいになりましたが、今ここまで来ました。これまでの説明を読んだ方だと、シール貼られてるところを見ると「あーそういうことね」っておわかりいただけるんじゃないかと思います。
下のほうの丸つけたところでバガヴァッド・ギーターが始まります。まだまだですね。待ちきれない方はとりあえず読んじゃうのもありです。何回でも読めばいいからね。
バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)
上村 勝彦 岩波書店 1992-03-16
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さて。今日もいきますよ~。
王家の存続について
息子を二人とも失ってしまったサティヤヴァティーは悲しみに暮れ、そして家系のことを考えてビーシュマにいいました。
「王家の存続のためにアンビカー、アンバーリカーをあなたの妻にして。そして息子を生ませてください」
そんなことを言われても、ビーシュマは承知しませんでした。独身の誓いを立てましたからね。
彼は故事にのっとり高徳のバラモンを招待してアンビカー、アンバーリカーの二人に子孫を作らせるよう言いました。
すると、サティヤヴァティーはためらいがちな声で、恥じらいつつ自分の過去の秘密について語りだしました。
サティヤヴァティーの秘密
サティヤヴァティーが思春期に達して間もないころ。川で舟をこいでいた時、パラーシャラという聖者が舟に乗ってきました。
大仙パラーシャラ
ヤムナー川を渡っているとき、パラーシャラは愛欲にかられ、あれこれ甘い言葉でサティヤヴァティーを誘ったのでした。
サティヤヴァティーは父を恐れながらもパラーシャラの呪詛を恐れ、願いも叶えてやると言われ、拒絶することが出来ませんでした。そしてパラーシャラは視界を闇で覆ってから舟の上の処女のサティヤヴァティーをものにしたのでした。
きちんとケアするパラーシャラ
そしてサティヤヴァティーにはひどい魚の悪臭があったのですが、パラーシャラはそれを除いていい香りを授けてくれたのでした。(そしてシャンタヌがくんくんするところにつながります)
それからパラーシャラは告げました。「お前の胎児を生み落とした後は、お前は処女に戻るであろう」と。
偉大な聖仙ヴィヤーサ誕生
こうして処女であるサティヤヴァティーからヴィヤーサと呼ばれる聖仙が誕生しました。
ヴィヤーサ生んだけど、パラーシャラの力で処女のままです!なのでシャンタヌと結婚できたというわけです。
つまりこれはシャンタヌに出会う前のお話。なので、ヴィヤーサはサティヤヴァティーの子だけど王家の存続には直接関係ないんです。生まれた直後に川の州に捨てちゃってるし。
サティヤヴァティーはシャンタヌと結婚する前に生んだヴィヤーサがいたことをビーシュマに明らかにして、高徳のバラモン(つまりヴィヤーサ)とアンビカー、アンバーリカーの間に息子を作ればいいよねという提案をしたというわけでした。
あぁ、人物増えてきましたね。ついてこれますでしょうか。
…はい!もう少し続けようかと思いましたが、そうすると長くなっちゃうので今日はここまで。
いやあ、サティヤヴァティーのいい香りには秘密があったんですね。
ここからは余談ですが、サティヤヴァティーの魚の悪臭、これって「トリメチルアミン尿症(魚臭症とも呼ばれる)」という病気だったんじゃないでしょうか。そしてそれをパラーシャラは治してくれたんじゃないかなと思います。パラーシャラすごいですね。
そしてこのあたりのお話って、レグルス文庫の「マハーバーラタ」には書かれてないんですね…。(この【バガ楽】は上村勝彦さんの原典訳を読んで書いています)
マハーバーラタ(上) (第三文明選書)
チャクラヴァルティ ラージャーゴーパーラーチャリ 第三文明社 2017-07-20
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マハーバーラタ(中) (第三文明選書)
チャクラヴァルティ ラージャーゴーパーラーチャリ 第三文明社 2017-07-20
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マハーバーラタ(下) (第三文明選書)
チャクラヴァルティ ラージャーゴーパーラーチャリ 第三文明社 2017-07-20
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