mugazine×文字=むがもん。
ルールはたったひとつ、文字のみであること。
みわ、あいしとるよ
はるじが最後にかけてくれた言葉。みわもあいしてるって返した。このはるじの一言に2年間が全部詰まってる。
17日の夜中から朝までずっと激痛に耐え、その痛みに向き合ってでも生きると決めて帰宅。その後安心したのか穏やかに眠りながら目を覚ましたときに言ってくれた言葉。
18年4月にはるじと初めましての金沢〜能登。それから会わないまま2ヶ月もしないうちに一緒に暮らし始めて2年。それまでもずっと幸せだったけど、癌であることを知って、これまで以上にまっすぐ生き続けたはるじの側にずっとずっといられて本当に幸せだったし、今も幸せ。
あいしとるよって言った数分後、はるじは本当に眠るように肉体の衣を脱いでしまった。
息をしてなくて、心臓の止まったはるじの胸に手を当て、八重ちゃんとヒデと3人で呼びかけてもはるじは戻らず。病院で死亡が確認されたときにはとても穏やかな顔をしていた。
ぬけがらになってしまったはるじに毎日触って毎日キスをして。そのぬけがらさえも燃えてしまって10日が経った。
はるじが右ほっぺにいることの確信が深まる日々を過ごしながらも、生きることにぐらぐらしながらみんなに生かされてる。
はるじが側にいるってわかってても朝起きるたびに生きることのしんどさを感じずにはいられないし、食欲は相変わらずないまま。
はるじと一緒にゴリラ化して体重減少していたところに、はるじが肉体の衣を脱ぐという衝撃的な出来事のおかげで、メキメキと痩せていた。
ここ1ヶ月で6kg近く痩せていて、筋肉もさすがに1kgくらいは落ちてた。昨日おみそさんに連れて行ってもらった温泉の鏡に映っていたのは肋骨が見えるほどに痩せた自分。
それでも、本当にはるじが右ほっぺにいることだけが唯一の救いというか、いることを確信できる出来事がちらほら起きてくれる。
はるじにしかわからない物のありかを教えてくれたり、話にツッコミを入れてくれたり。
そして、はるじはもう嘘をつかない魂というかそんな状態らしく。死んだらみんなそうなるのかな。かみさまになったからかな。
肉体の衣を脱いだ後、みわのこれまでの人生を全部見て、はるじについた嘘も、黙ってたことも全部見えたって教えてくれた。それでも変わらず愛してるって言ってくれた。
そのお返しなのか、今まで内緒にしてたこともまさかのタイミングで明らかにしてくれるのはいいけど、なかなか衝撃的すぎたおかげではるじの登山用ロープで首吊りかけたよ。
そんなこんなで、はるじが肉体の衣を脱いでからも毎日いろんなお話をしてる。
2月13日に分岐があったこと、深いところでそれを選択していて、でもまだ浅いところのはるじはそれに気付いていなかったこと、いろいろ手放していくうちにその隔りがなくなっていってあわさったこと。
はるじは「本当の愛」を知って、みわを幸せにするために肉体の衣を脱いだこと。(これはちょっとまだ心底は理解できないから詳しく書けないんだけど言ってる意味はなんとなくわかった)
はるじが話してくれてる内容なんたけど、それまでのはるじじゃ絶対言わないような話までしてくれてて、本当にかみさまのところに行ったんだなあって思う。
今まで以上にはるじと不思議なお話をするようになっちゃった。頭おかしくなったって思われちゃうやつだよこれ。
でもいいの。はるじあいしてる。
免許取ったら、ふたりで乗りたかったエブリイをデコっていろんなところに行こうね。