白菜が収穫できた。
大きな大きな白菜で、てきとうに根っこから掘り起こしたら、大人が脇に抱えるのがやっとというくらい大きかった。アクション映画でヒロインを小脇に抱えて立ち去る悪役の気分だった。やい白菜の仲間たちよ、こいつは今から私が美味しくいただく。
悪役の私はバリバリと外側の葉を外す。葉の内側に小さいカタツムリがいて、幼き命までは奪うまいと、捨てる葉にそっと乗せておいた。
夕ご飯の鍋用に切っておいたら、緑色のクモが顔を出した。うっかりクモ鍋になるところだった。悪役とはいえ、カタツムリもクモも食べたくはない。
後から知ったことだが、もうちょっとしっかり身が詰まってから収穫すべきだったらしい。つまり大きいと見えてそんなに中は詰まってない。でも大きい。ちゃんとおいしい鍋になった。