ハッチポッチステーションが好きだった人へ。記憶に刺さる展示に行ってきた「ハッチポッチ 藤枝リュウジの世界」

よかった!!!
……で終わらせたらレビューにならないので、少しずつ紐解いていきますね。

藤枝リュウジ好きなイラストレーターのほりたみわです。どうもどうも。

今回行ってきたのは、富山県美術館で開催中の
ハッチポッチ 藤枝リュウジの世界」。

展示を見に行った、というよりも、
あの頃のわたくしに会いに行った、が正確かもしれません。

藤枝リュウジって誰?

藤枝リュウジは、イラストレーター・アートディレクターとして、長年にわたり日本の「子ども向け、公共向け」ビジュアルを支えてきた存在。

NHK教育テレビ(現・Eテレ)の番組をはじめ、公共ポスター、企業広告、キャラクターデザインなど、名前は知らなくても、作品はほぼ確実に見たことがあるタイプの人です。

特に、ハッチポッチステーションやフックブックローを観て育った人なら、
「あ、この線!」「この色!」となる可能性がかなり高いんじゃないかと。

やさしくて、ちょっととぼけていて、どこかユーモラス。
でも構成やデザインは異様なほど整理されていて完成度が高い。

アナログ感が強いのに、どこかデジタルっぽい。
子ども向けだから簡単、ではなく、子どもにも伝わるところまで削ぎ落とされた、プロの仕事という感じ。

気づかないうちに、感性の土台に刷り込まれていた。
そんなタイプの作家です。

見どころは、なんといっても原画

絵本のお仕事もこんなに!

これまでの仕事がずらりと並ぶ、見応えたっぷりの展示。
公式によると、出品点数は500点以上

体感としては、「これ……600点近くない?」と思うほどのボリュームでした。

でもイチオシは、やっぱり原画

しかも……
この展示、写真撮影OKなんです!!!
(※一部撮影禁止あり)

マクロレンズ付きのカメラがあったら最高。iPhoneでもかなり寄れますが、線の細部まで見たい人はぜひ。

原画の量がとにかく多くて、ハズキルーペ持ってくればよかった……と本気で思いました。(持ってないんですけどね)

一点一点、息を止めるように見ていたら、途中からくたくたになるほど。

ちゃんとお腹いっぱいにして体力つけてから見に行ってくださいね。

じわっときたのは、東急のポスター

大学の頃からの憧れの存在だった藤枝リュウジ。
あの頃を思い出すような作品も展示されていて、ここで不意打ち。

ここ10年ほど、テレビをほとんど観ない生活をしていたので、藤枝リュウジとも少し距離が空いていたはずなのに、久しぶりに見ても、やっぱり好き。

この線も、フォルムも、色使いも……わたくしの中には間違いなく藤枝リュウジのエッセンスが……あるとも言い切れませんが、影響は確実に受けている気がします。

東急のポスターの前で、イラストレーターを目指していた頃の自分がふっと立ち上がってきて、
なんとも言えない気持ちになり、気づいたら涙が出ていました。

初日ならではの、客層の話

今日は初日。会場はなかなかのにぎわい。

体感的に、ハッチポッチステーションやフックブックローをリアルタイムで観て育ったであろう人たちが、わんさか。

「あ、この人もきっとあの頃のテレビっ子だな」という空気がそこかしこに漂っていて、勝手に同志を見つけた気持ちになれました。

作品の前で立ち止まる時間が長い人が多いのも、すごくよかった。懐かしさだけじゃなく、ちゃんと今の目で見ている感じ。

もちろん、藤枝リュウジを全く知らなかった人もちゃんと楽しんでました。ワスレッポおじさんを見つめるリアルワスレッポおじさん。

藤枝リュウジ好きのわたくしでも知らないお仕事がたくさん。

ぎゃあ!こんな星の王子さままで!

グッズもいい。でも図録はマストバイ

オリジナルグッズも、もちろん魅力的。かわいい。欲しくなる。わかる。

でも声を大にして言いたい。

藤枝リュウジ初の作品集といわれる図録、これはマストバイ。(マストバイって言葉初めて使った)

展示を見終わったあとに図録を見ると、「ここで足が止まった理由、これだわ」「この線、やっぱり異常(褒めてる)」と、体験がもう一段深まります。

展示=体験
図録=持ち帰れる時間

このセットで完成。そしてまた実物見に行きたくなる。無限ループ。

結局、何を見に行ったのか

今回買ったのは図録とフレークシールだけ。今度行ったらマグカップ買う。(残ってるかな……)

「ハッチポッチ 藤枝リュウジの世界」を見に行った、というよりも、イラストレーターを目指していた頃の自分に会いに行った、が近かったのかも。思いがけずそうなっちゃったというか。

あの頃のワクワクも、悔しさも、ぐぬぬぬ……も、全部ひっくるめて、今のわたくしがある。

そう思えた時点で、この展示を見に行ったことは、わたくしにとって大成功でした。

ハッチポッチ 藤枝リュウジの世界

会場:富山県美術館

会期:2026年2月7日(土)〜4月5日(日)
開館時間:9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:毎週水曜日
(※2/11は開館、2/12・2/24は休館)

観覧料:
一般 1,100円(前売 850円)
大学生 550円(前売 420円)
高校生以下 無料

原画多め。撮影OK(パペット除く)。

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ABOUT US
ほりたみわ/多神和(たみわ)
多神和と書いて、たみわ。 一人であり、たくさんであり、かみさまたちの和を映す存在。 イラスト・漫画・張子・熊手・Reboot™・神ノ貌など、祈りと観察をもとに表現を続ける多層的クリエイター。 かみさまや犬、無機物とも会話しながら、目に見えないものを形にしている。 Reboot™では、自責の迷路から抜け出すナビゲーター。