空港で腕立てしてた女とインドで暮らすことになった話

隙あらば腕立て伏せをする女、真紀子

YSSの日本人僧侶、ニルヴァーナナンダジのお誕生日と僧院に入られて60周年をお祝いする旅行に参加したわたくし。

メンバーは全員で16名。1人だけ以前お会いしたことのある方がいらっしゃったのですが、それ以外は初めまして。

オンライン瞑想会でいつも見てた「のりちゃん」は勝手に見覚えがあったので、「わあ!ほんものだ!」なんて思いながら勝手に嬉しくなったりもしつつ。

それ以外は男女個性豊かそうな方々ではありつつも、わたくしの記憶力では顔と名前が一致するまでには相当時間がかかるなこりゃと思っておりました。

グループ分けされて、年齢の近かった小出さんの顔と名前はすぐに覚えたものの、他の方はなかなか。

そんな中、1人へんてこなひとがいた。

羽田空港で搭乗までの待機中、みんなは椅子に座ってのんびりしているところ、ひとりカウンターで腕立て伏せをする細長い女がいた。名前もわかんないへんなひと。

それが真紀子。

わたくしの夢にまで出てくるようになった人物でございます。

真紀子とデリーで一夜を共にする

飛行機の中で、みんなと少しずつ仲良くなりつつ、顔と名前が一致しそうになりながらも、眠気がまさりうとうと。

気づけばデリー。ホテルまで迎えのバスが来てくれて、みんなでわいわいホテルまで。

すっかり忘れてたけど、ホテルは相部屋だったんだ。そして塚田さんが教えてくれた。

「ええっと……ほりたさんは大西さんと同じ部屋ね!」

大西さんって誰?なんて思ってたら、あの細長い女がすっと現れた。

それが真紀子。

腕立て伏せしてたへんなひとと同じ部屋だなんて。

なんでか全部出せる

不思議だったのはこんなにもへんてこなひとなのに、いや、へんてこなひとだったからなのか、なんかめちゃくちゃ居心地が良い。

人によって態度を変えることは少ない方ではある自覚はあるんだけれど、このへんてこな大西さんには何ひとつ隠す必要がない気がする。

過去世とかわかんないけど、過去世があるならば、これは過去に絶対会ってる感。

なんでこんなに居心地がいいんだろう。

いや、なんか「大西さん」っていうのも違和感があってしょうがない。名前はなんだろかと思って調べたら「真紀子」だった。

もう1人、わたくしの人生でへんてこな女がいたけど、そのひとの名前も「真紀子」だったな。

真紀子って名前はへんてこになるのかしら。

朝から抜け出す真紀子

まあ、かくいうわたくしもどちらかというと「へんなひと」のほうに括られる部類である自覚はあるのですが、真紀子のほうがはるかにへんなひと。

デリーのホテルで目覚めた朝。何時だったかは忘れちゃったけど、朝ごはんまではまだ時間があった。

隣で寝てた真紀子は起き抜け横向きに寝っ転がったまま、脚を上げ下げして開脚運動。そんな寝起きから動く人なんてそうそういない。

そして朝シャワーを浴びて、どうするかと思いきや。

「ちょっと外行ってみない?」

や、や、や。まあ、たしかにアシュラムでは余程のことがない限り外出禁止って話は聞いてたけど、ここはまだホテル。

とはいえ、外出時は2人以上でって話だったし。まあ、真紀子英語できるから大丈夫か。

ホテルの人とちょうど入り口で出会った今回の旅行会社の人と話して出かけてくると告げる真紀子。

そもそも、今回の旅の代表の方々に連絡しようにも部屋番号すらわからないし、朝早すぎるし。

しゃーない、真紀子について行くしか。ちょっと外の世界を見たい気もするし。

デリーの朝散歩

初インド!おはよう!インド!!

真紀子とふたりで歩くインド。やっとインドに来た感。6時半過ぎなのにお店はちらほら開き始める。

庭のようにざくざく歩く真紀子の後ろから動画を撮りながら歩くわたくし。

どこをどう切り取っても刺激しかない。

これがインド。

気になるお店に突入して写真を撮ったり、お買い物したり。お土産に良さそうな小袋のお菓子をもっさり買うふたり。

部屋に戻ったらマスクして歩いてたはずなのにふたりして呼吸器の違和感。

これがインド。

だけどそんなの気にならないほどの高揚感。

修学旅行で抜け出して外に出た時ってこんな気持ちなのかしら。出たことないけど。

アシュラムでもまさかの同室

そんなデリーから、アシュラムのあるラーンチーへ向かう。飛行機の中も真紀子は隣の席。

だったけど、左隣のおねえさま、京子さんと話が盛り上がり、真紀子と話する間もなくラーンチー到着。

受付が終わり、部屋の割り振り表を確認する。

2人部屋と3人部屋の人がいるのね……ふむふむ。

どういうわけかアシュラムでも真紀子と同室だった。けど、今回は3人部屋。あののりちゃんと真紀子の3人部屋かあ。楽しそう。

なんて思いながら部屋に3人集まり、よろしくー!なんて言ってた瞬間、のりちゃん呼び出され。

なにやら部屋替えらしく、のりちゃん移動。

またしても真紀子とふたりに。

ちなみに、ホテルのお部屋は旅行代理店の人が割り振り、アシュラムはアシュラムの人が割り振ったので、あっちでもこっちでも同室になるのは完全にかみさまのいたずら。

真紀子との日々

なんかまあ1人部屋みたいな気持ちながらも、1人でいるよりも楽しく真紀子と過ごす日々。

アシュラムに着いたら沈黙の日々を過ごすつもりが、普通に話す。じゃんじゃん話す。

真紀子のいろんな話を聞いたり、わたくしのいろんな話をしたり。

グルジの話やギーターの話、久しぶりに会った家族に近況報告でもするかのように、お互いのことをたくさん話して聞いて。

Reboot™︎も体験してもらって、真紀子は自分の中にある母親への憤りに気づき、1人でもやって手放すように。

真紀子の告白

そんな中、真紀子からぽつりと告白された。

「最初にのりちゃんいなくなったでしょ?実はあの時、あなたとこの部屋ふたりになったのが嫌で交渉しに行って、なんとか違う部屋にしてもらおうと思ったんだけど、ダメだったの」

!!!

なにそれおもしろすぎる。真紀子が言うには、デリーのホテルで一夜を過ごして、なんかわかんないけどこの人やべえって思ったらしく。

3人ならまだしも、わたくしと2人きりはやべえって思って、どうにか別室もしくは3人にしてもらえないか交渉したけど、他の人は一人部屋になったりで、もう真紀子はダメって断られたらしい。

かみさまがそうしたんだから……って諦めたらしいけど、最終的にはこれでよかったって思ってる。

みたいな告白をされ。

いやあ、好きと嫌いは紙一重っていうか、ベクトルが違うだけでその熱量たるや。

真紀子おもしろい。

ココナッツを後ろ手に

真紀子はアシュラムでも脱出を試みる。というかすでにちゃんと許可も取ってた。

どうしても生ココナッツジュースを飲みたいらしく。しかもそこらへんに売ってることをすでに確認済。どこまでもぬかりない。

そしてまたわたくし同行するという名目で外の世界を垣間見たく、ついて歩くことに。

韓国以上の交通量の道を渡り、ココナッツ屋に辿り着き、ココナッツを入手してアシュラムに戻る。

アシュラム内で真紀子念願のココナッツジュースを飲むも、思いのほかおいしくなかった。ちょっとだけ飲ませてもらったけどこんなに若いココナッツジュースのんだことないっていうくらいの青い味。

だけど、真紀子は懲りずにその後もまたアシュラムを抜け出してココナッツを入手してた。

これが真紀子。

とにかくよく動き、よく食べる真紀子

真紀子はとにかくよく動く。おはようからおやすみまで動き続けてるんじゃないかってくらい動く。瞑想の時はさすがにじっとしてはいるものの、それ以外はいつでも動いてる。

そのせいかよく食べる。いつもおかわりするし、それもあってか食堂には最後の頃までいるらしく。

わたくしは最初の段階で少なめにしてもらっても3食プラスお茶の時間のおかげでお腹いっぱいだというのに。

そんな真紀子がある日を境におかわりをやめる宣言をした。

「働くみんなが最後にごはん食べるんだけど、おかずの種類によっては全然なくて、カスカス音をさせて集めて食べてるのを見て、もうおかわりするのやめようと思ったの」

なるほど。人数分作るとはいえ、多すぎないように作るだろうし、最後はそんな感じになるだろうねたしかに。

といいつつ、ちょっとだけ……と心苦しそうにおかわりしてはおいしそうに食べる真紀子を見てはにやにやするわたくし。

いいよいいよ、そんなにもおいしそうに食べてくれたら食べ物も働く人たちもみんな嬉しいよ。

もっとやれ真紀子。

真紀子あいしてる

沈黙と瞑想の日々を過ごすつもりが、すっかり瞑想と真紀子との日々。

かなり早い段階で真紀子から「愛してる」って言われた時、「うん知ってる」って返すほどになぜか真紀子からの愛はひしひしと伝わってたし、わたくしも真紀子を愛してやまなかった。

出逢う前から愛し合ってるってへんなのって思うけど、なんかそんな感じ。

真紀子との出逢いは不思議だけどめちゃくちゃ当然というか、なんでか「やっと出逢えた」感があってしょうがないというか。

だって羽田空港でハートわしづかみにされたもんね。あの腕立て伏せで。

あいしてる真紀子。

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ABOUT US
ほりたみわ/多神和(たみわ)
多神和と書いて、たみわ。 一人であり、たくさんであり、かみさまたちの和を映す存在。 イラスト・漫画・張子・熊手・Reboot™・神ノ貌など、祈りと観察をもとに表現を続ける多層的クリエイター。 かみさまや犬、無機物とも会話しながら、目に見えないものを形にしている。 Reboot™では、自責の迷路から抜け出すナビゲーター。