どうも、おみそです!年始から様々なことがありましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?落ち着かない状況の方も、いつも通りの生活の方も、一休みのお供にむがじんでもどうぞ。
自然の脅威を感じる出来事でしたが、こちらは自然の美しさを感じることの出来る展示です。
我らがほりたみわも展示した長野県千曲市にあるアートギャラリー「art cocoonみらい」にて、2023年12月9日から開催中の山内悠展「夜明け DAWN」に行ってました!
というのも、以前ほりたみわ展へ行った際にギャラリーオーナーの上沢さんから山内さんの写真集を見せて頂いて、感動したからなんです。
特に「自然 JINEN」の写真は、真っ暗闇の中に浮かび上がる樹木がえも言われぬエネルギーを放っていて圧倒されました。
そして今回のアーティストトークでは「地球調査報告書」なるものが開催されるとのことで、こちらも気になっていたんです。地球に生きる者としては是非とも聞いておかねば!ということでアーティストトークにも参加してきたので、その内容についてもレポしちゃいます!
地球から見た宇宙なのか、宇宙から見た地球なのか
山内さんが富士山7号目にある山小屋で600日間も滞在しながら撮り続けた作品がこの「夜明け DAWN」。
自身がこの宇宙の一部である意識ができたと語るほどに、その感覚を研ぎ澄ませていらしたというもの頷ける写真です。
山内さんの写真は、様々な表情を見せる自然の姿を捉えたようないわゆるネイチャーフォトではないんですよね。
同じ地球なのにまるで他の惑星か何かのように感じる写真や、これはどこから撮ったの?もしかして宇宙?と思うような写真にはとても驚かされます。
いつまでも眺めていたい美麗なアクリルブロック
今回の展示に際してアクリルブロックも制作されたとのこと。10cm四方に広がる世界に胸が躍ります!!
なんとこちらの作品は、ほりたみわ展と同じくart cocoonみらいの通販サイトでも販売が開始されました!!!わーい!!!(今回も展示作品の写真を撮影やページ制作などしました!)
art cocoonみらいオンラインショップ 山内悠展「夜明け DAWN」ページ
https://artcocoon.base.shop/categories/5618573
もちろんその他の展示作品も購入できます!実物を見られない方には雰囲気だけでも感じてもらって、実物を見たけど迷っている方は吟味してご購入下さいませ。
地球調査隊による地球調査報告書!
さて、いよいよお待ちかねの地球調査報告書ですよ!
ギャラリーのオーナーである上沢(かみさわ)かおりさんは、18年前に「art cocoon」をクローズし、今年に「art cocoonみらい」として再開されました。
奇遇にも山内さんの制作活動が始まったのが18年前で、一区切りしたのが今年だったと!このタイミングでこの展示ができるなんて、ご縁が繋がっていますね。
山内さんは偶然の重なりでやり始めたことが形になった時、まるでそれが地球調査隊として報告書を作るためにやってきたかのように、リンクしていったのだとか。
アーティストトークでは写真集を見せつつ、その制作過程の話から始まります。標高3000メートルにある富士山の山小屋に籠り、目の前で起こる現象を写し続けた山内さん。
酸素も薄い中で無我夢中に撮り続けた写真は記憶に無かったものも多いというのは驚きです。自分の意思ではない、何かによって撮らされている感覚だと。
しかし、無我夢中を標榜するむがじんのおみそとしては、ここら辺は非常によく分かるような気がします。本当に良いものが出来る時って、全然覚えてないんですよね。
後から見返したり、人から良いねと言われて初めて自分でもその作品の良さに気づくような他人事感があるというか。
ネガやポジのフィルムで撮った写真は現像の段階で、ともすれば大きく色が変わって大失敗にもなりかねないプロセスも踏んだそうです。
絶妙なバランス感で現像されて上がってきたのが今回の作品なのだというのだから、山内さんの技術力の高さも写真から伝わると思います。
目の前にある世界が、写真という行為を通して全然違うものとして返ってくることの面白さや喜びについても語られていました。私も最初に一眼レフに触れて、フィルム写真を通して感じたことでした。
山内さんほどのベテランでも、いつまでもその原点を忘れずに制作されていると知って、とても嬉しくなりました。
この奇跡のように完璧にできた宇宙の中に存在している地球。
その一部として自分が宇宙との繋がりを感じながら生きていると実感したというのは、自然の中で長い時間をかけて制作を続けられてきたというだけあって説得力があります。
写真集「惑星 PLANET」ではゲルを買いに行ったモンゴルでの奇跡的な出会いから、使命感を感じて写真を撮り続けて結局は5年間通い、ついにはモンゴル全土を周ったのだそう。
モンゴルの乾燥した空気や独特な距離感がまるでSFのような世界観を作り出しています。
「夜明け DAWN」、「惑星 PLANET」を撮り続ける最中にも通っていたのが西表島のジャングル。曰く野生への旅をした森の中でサバイバルをしながら感じた自然の恐ろしさをキッカケにして、今度は屋久島へ9年間も通うことに……。
私が一番好きな写真集「自然 JINEN」では、その恐怖と闘いながらその根源について自らに問いかけています。
自然との一体感を感じるために人里離れた森の中でたった一人きりで、行く際は3〜4週間も生活していたのだとか。
山内さんの文章もとても素敵なので、写真集で是非お読み下さい!
果たして私たちは一体どこから来た何者なのか……。
アーティストトークもあと10分……というところでトークの核心へ!山内さんがこれまで体験してきた様々な不思議話に。
写真集「自然 JINEN」にも書いてありましたが、屋久島に足を踏み入れた初日に土砂降りの中を歩き続け、まだ先に進みたい気持ちもありながら歩を止めた途端に晴れて虹が現れたエピソードはもはや神がかってますね。
富士山、モンゴル、屋久島とこれだけ長期間に渡って自然の中にいながらも、山を降りて人里に戻るとやはり安心感があったことに違和感を感じたという山内さん。
自分ではない何かに導かれるようにして写真を撮ってきたという山内さんですが、そこから話はどんどんと深い所へ……。
嗚呼!ですがここから先は、来てくれた人たちだけの特権と致しましょう!ここでしか聞けない話をたっぷりと披露してくれたサービス精神に感謝です。
art cocoonみらいのアーティストトークはぜひ聴きに来て!
そんなこんなで、地球調査報告書は大盛況に終わりました。いやはや、関西弁の軽妙なトークにすっかり聴き入ってしまいました。
山内さんのサービス精神あふれるお人柄は、作品の世界観からは想像できなかったので、そのギャップも大変魅力的でした!
作品の制作秘話からビックリなお話も聞くことができて、今回もここでしか聞けないアーティストトークで大満足です。7月にレポした西村陽一郎さんのアーティストトークでは制作実演もあったりして、作家さんごとに本当に様々で面白いんです。
ほりたみわ展ではクリシュナさんを描いたり、別の日にはお客さんのいるギャラリー内でも開催されていました!
最後に
今回の展示はまるで異世界のようで、完全に山内さんの世界観が出来上がっていました。実は私は搬入からお手伝いさせて頂いたのですが、何回も「夜明け」の展示をされているだけあってどこに何を配置するかのバランス感覚が研ぎ澄まされていて流石の手際でした。
たくさんの学びを頂き、大変感謝しております!!ありがとうございました。
個人的な欲望としては是非とも「自然 JINEN」の展示が見てみたいです!!!壁一面にあの写真があったら、そりゃもう大迫力でしょうね。
自然の中での撮影方法や、どんなことに気をつけたらいいのかも山のプロである山内さんに教えて頂きたいです!
山内悠展「夜明け DAWN」は2024年1月8日(月)まで!
ぜひ沢山の方にあの展示空間を体感してみてほしいです。タイミングよく山内さんに会えたらそりゃもうラッキー!!
「夜明け DAWN」
会期 2023 年 12 月 9 日(土)〜1 月 8 日(月) 13〜19 時
お休み 火曜・水曜
会場 art cocoon みらい ⻑野県千曲市土口 378-1
入場無料(予約不要)
作品 20点、写真集3点
オープニングアーティストトーク地球調査報告書 (終了しました)
12/9 (土)15 時〜16 時 定員 30 名
ウェブサイト https://www.artcocoon.com/
電車でお越しの方
北陸新幹線 上田駅・または⻑野駅下車→しなの鉄道 屋代駅下車(約 20〜25 分)→⻑野電鉄 松代・須坂行きバスで「土口北」または「土口水門」下車(約 10 分)→徒歩 4 分
高速バスでお越しの方
高速バス⻑野行き→高速道路バス停「上信越道屋代」下車→タクシー7 分 更埴観光タクシー0120 336 036、シンリク観光タクシー 026 273 2200)
お車でお越しの方
⻑野自動車道・上信越自動車道 更 埴 (こうしょく)インターチェンジから車 6 分
◉東京駅から上田駅まで北陸新幹線で約 1 時間半です。在来線とバスの時刻は Yahoo 交通案内で行き先を「土口北」または「土 口水門」で検索していただけます。