石崎光瑶、全国初の大規模回顧展!京都と富山で開催される特別企画
日本画好きなみなさまこんにちは。突然ですが、石崎光瑶という日本画家をご存知でしょうか?
わたくし、富山県に来て6年が経ちましたが、昨年やっとその存在を知ることができました。現在富山県高岡市在住のほりたみわです。どうもどうも。
その石崎光瑶という日本画家の展示が福光美術館で始まっておりまして、観てきましたところ、とんでもない展示でしたのでお伝えさせてください。
(写真:冨田実布)
石崎光瑶(いしざきこうよう)という人物について
日本画家でありながら、登山家でもある石崎光瑶。
大正5年に石崎光瑶はインドに渡ります。熱帯の動植物のため、古代建築や美術に触れるため、そしてヒマラヤの大雪山を望むため。
大雪山を望む……といっても、眺めるだけではなく、日本人初のマハデュム峰に登頂成功するという偉業を成し遂げます。やだもうとんでもない。
そして動植物や古代建築、美術などに触れ、たくさんの刺激を受け、制作した作品が特選を受賞するという、「天が二物を与えちゃった(しかも与え方がエグい)」人物なんです。
実際の作品を見る前からそのとんでもなさが伝わるかと。
自然を愛し、自然に愛され、人からも天からも愛された石崎光瑶。
石崎光瑶の写生力
石崎光瑶の写生、もうどうにもすごいんです。
10代からの写生の展示もあるので、じっくりご堪能ください。虫類の写生なんて仰天ものです。同じクリエイターとして、その写生をじっくり観ているだけでもだいぶ打ちのめされます。10代であんなに描けるなんて……。
写生力+構成力+表現力=絢爛な花鳥画!!
そして、石崎光瑶のその凄まじい写生力をベースに構成力と表現力が追加され、緻密さと大胆さの絶妙なバランスによる絢爛な花鳥画は、誰が見ても瞬時に虜になります。
「息を呑む美しさ」を存分に体感してください。
そんな作品がずらりと展示されるというのが、今回の企画なんです。
展示される石崎光瑶の主要作品と見どころ
代表作『熱国妍春』と『燦雨』
インドから帰国した石崎光瑶がその体験と感動をもとに制作した『熱国妍春』は大正7年の文展で特選受賞、『燦雨』は翌大正8年の帝展で特選を受賞。
『燦雨』は実物を観る前に、印刷物は目にしていて、それでもその美しさにぐうの音も出ないというより、「うぐぐぐ……」とはなりましたが、実際の作品を目の当たりにしたら本当にもう何も言えませんでした。もともとそんなにもない語彙力が吹っ飛びました。
この大きな作品を前にじっと立っていると、そのまま作品の世界に入ってしまいます。そしてこれ、きっと福光美術館だからこその贅沢な体験ではないかと。
高野山金剛峯寺の襖絵
で、そんな福光美術館で高野山(弘法大師によって開かれた日本仏教の聖地!)金剛峯寺の奥殿襖絵が観れるんですよ!!しかもこれ、普段は非公開なんですって!!
このチャンスは異常です。行かない理由がありません。
その立体感というか、実際の凸凹もあるんですが、色鮮やかさと形の美しさ、なんかもう一瞬「これはあの世かな……」と思いたくなるくらいの世界にどっぷり浸れます。
しかしここはさすがに撮影禁止でございました。ご自身でじっくりその目に焼き付けてくださいませ。
石崎光瑶グッズがすごい
今回の石崎光瑶展の何がすごいってグッズの種類と質。
缶バッジ、ピンバッジはもちろん、クリアファイルやスカーフ、手拭いなんかも色がとても綺麗。グッズ特集記事も後日公開したいと思います。
福光美術館の魅力
良くも悪くもといいますか、個人的には嬉しいんですけど、地方の美術館ならではの「人の少なさ」のおかげで作品に没入できます。
好きなだけ観てても大丈夫なくらいにゆっくりとひとつひとつの作品と向き合うことができます。
大好きな作品を見つけてひたすら見つめるのもおすすめです。
福光美術館での展示は前期と後期に分かれています!
そしてこれ、大切なことを伝え忘れておりました!
福光美術館では展示が前期(2024年7月13日〜8月5日)と後期(2024年8月7日〜9月2日)で分かれていて、展示されている作品が変わります!前期でお気に入りの作品があった場合、後期でもその作品を観れるとは限りません。
どの作品が展示され続けるのか、はたまたガラリと入れ替わるのか、何度でも通って楽しんでくださいね。
石崎光瑶生誕140年展の会期と会場情報
この「石崎光瑶生誕140年展」は福光美術館で開催された後、京都文化博物館と静岡県立美術館でも開催されます。開催スケジュールは以下の通り。
京都文化博物館
2024年9月14日(土)〜11月10日(日)
南砺市立福光美術館の所在地とアクセス
〒939-1626 富山県南砺市法林寺2010
TEL 0763-52-7576 FAX 0763-52-7515