無我夢中に生きるための5つの原則
最近、わたくし多神和は「とやま呉西圏共創ビジネス研究所」という場に通い始めました。
そこで出会ったのが「エフェクチュエーション」という、やたら長いカタカナの言葉。
意味をざっくり言うと、「未来は予測するものじゃなくて、自分でつくるもの」。
その説明を聞いて、わたくしは思いました。「あれ?これって……むがじんが普段やっていることじゃない?」つまり、理論を習う前から、気づけばもうやっていたのです。
エフェクチュエーションの5つの原則
起業家の研究から見つかった思考法で、5つの原則があります。
手中の鳥の原則(Bird in Hand)
いま自分が持っているもの(人・スキル・経験)から始める。
許容可能な損失の原則(Affordable Loss)
「これくらいなら失敗しても大丈夫」という範囲で挑戦する。
クレイジーキルトの原則(Crazy Quilt)
仲間や協力者とつながりながら未来をつくる。
レモネードの原則(Lemonade)
想定外のことをチャンスに変える。
パイロット・イン・ザ・プレーンの原則(Pilot in the Plane)
未来は外部環境ではなく、自分の行動でコントロールできる。
要するに「手持ちの材料で、仲間と一緒に、想定外を楽しみながら、未来をハンドルする」。
これがエフェクチュエーションです。
御旅屋人マーケットでの気づき

思い返せば、御旅屋人マーケットに出展したとき。
「とりあえずやってみるか」くらいの気持ちで参加したら、透視体験に人が並んでくれたり、写真ブースで予想以上の笑顔が生まれたりしました。
準備不足だったり、計画通りにいかなかったことも多かった。けれど、その予定外が新しい出会いや企画のタネになっていったんです。
これはまさに「レモネードの原則」。酸っぱい出来事をレモネードに変える、あの比喩そのもの。
むがじんの活動を振り返ると、5つの原則が自然と重なってきます。
- 手中の鳥 → おみそさんの写真、あきおさんの感性、りゅうちゃんの音楽、カワモトさんの仏像イラスト、そしてわたくしの祈りの絵。手元にあるものを出し合ったら「むがじん」になった。
- 許容可能な損失 → 「赤字でも経験になればいい」と思って出たマーケット。
- クレイジーキルト → 現代アート小説家のヒロオさんが仲間入りしてくれたり、地域との縫い合わせから新しい布が広がっていった。
- レモネード → 想定外を面白がり、次のチャンスにつなげてきた。
- パイロット・イン・ザ・プレーン → 流れを待つのではなく、「今ここから未来を動かす」。
わたくしの気づき──「じゃあ自分はどうする?」
学びながら腑に落ちたのは、実はもっとシンプルなことでした。
人は問題が起きたとき、つい「誰かや何かのせい」にしてしまいます。原因を外に見出すのは、人間らしいし、一番簡単な反応です。
でも、それでは解決にはならず、問題は形を変えて何度でも現れる。わたくしはめんどくさがりなので、ある時、そのループに飽きてしまったのです。
そこで切り替えました。「じゃあ自分はどうする?」
この問いを立てるだけで、意識は外から内に戻り、行動のエネルギーに変わります。
それは小さな工夫かもしれないし、新しい表現かもしれない。でもその瞬間、人はすでにクリエイティブになっているのです。
人類がクリエイティブなら、世界はもっと平和になる
わたくしがむがじんでやりたいのは、このシフトを広げることです。
「原因を外に見出す」から「じゃあ自分はどうする?」へ。
もし人類全体がこのモードになったら、世界は自然ともっと平和になると信じています。
- 責め合うより、作り合う。
- 奪い合うより、分かち合う。
- 違いを怖れるより、混ぜて遊ぶ。
むがじんは、そのための遊園地のようなもの。透視やReboot、撮影ブースやグッズづくりというアトラクションを通して、「無我夢中に動く」感覚を、みんなで試してみる場所です。
まとめ
わたくし多神和がむがじんでやりたいことは、エフェクチュエーションの5原則を日常に重ねながら、人々が「原因を外に見出す」より「じゃあ自分はどうする?」と思える世界を広げること。
それができれば、アーティストも会社員も子どもも、少しずつ「社会と交わるアーティスト」になっていく。
そして、無我夢中な人生が、世界のあちこちで始まっていくのです。
……なんて書くと、すごく壮大そうですが、要するに「みんなでクリエイティブに遊びたい」ってだけの話です。
だからむずかしく考えなくてもいいんです。今日のごはんをちょっと工夫するとか、散歩の途中で空を見上げるとか、そのくらいでも十分クリエイティブ。
「じゃあ自分はどうする?」とつぶやいて動けたら、もうそれだけで世界はちょっと平和になってます。たぶん。