パキスタンカレー大好きなみなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
パキスタン人のおともだちがおります多神和です。どうもどうも。
魂のかたわれ、はるじと「まだかな〜」ってずっと待っていたパンジャブレストランがついにオープンしたのです。
パキスタン人のおともだちからの直接の連絡ではなく、Facebook経由で知りました。
オープンさせるよと言いながら、オープンしそうでしないこと6年。その6年前の時点で「もう3年やってるんだよ」みたいな話だったので、オープンまでおそらく10年以上かかってる。
投稿見て、連絡しよかな、どうしよかな……と思ったら、気づいたら手が勝手に送信してた。
「アッサラーム・アライクム!」(あなたに平安がありますようにというアラビア語の挨拶)
久しぶりのアクタル
アクタルと初めて会ったのは、今はもう閉店してしまった「カシミール」というパキスタンカレーのお店。
はるじと二人で食べに行っていたら、アクタルが声をかけてくれて、そこから自然とおともだちに。
お店をオープンさせたいって話はずーっと聞いてたし、「できることあったら言ってね〜」なんて言いながら、そのまま年月が流れ……
一緒にパキスタン行こうぜ!という話もあったけど、行かないまま。そして、はるじは肉体の衣を脱ぎ。
それからアクタルとも少しずつ疎遠に。
でも、なんでかじわじわ繋がっていて。
オープン予定地の前を通るたびに「オープンしたかな?」「まだか……」と確認するのがくせになってた。
そんなお店が、ついにオープン。
……なんだけど、今日はじゅんが仕事で軽トラで出かけちゃってる。
わたくしは車がない。
今日は引きこもりデーかななんて思ってたそのタイミングで、Facebookの投稿。
連絡したというわけ。
パキスタンの人はやさしい
「お祝い行きたいけど車がなくて……」
と送ったら、
「迎えに行くよ!帰りも送るよ!」
「時間いつでもいいよ!」
いや忙しいんじゃなかったの。でも、ありがたい。
パキスタン人ってほんとに人情厚いのよ。
時間通りに来ないことも想定内で待っていたら、「着いたよ!」と思いのほか早い。
え、今日は早いのね。
お店までの道中、久しぶりにゆっくり話……できると思ったら、アクタルずっと電話してる。
日本語だったり、ウルドゥー語だったり。ずっと誰かと繋がってるタイプの人。
でもときどきこちらに話を振ってくれるやさしさね。
レストランに到着

到着したら、なにやらバタバタとお掃除している人たちが。パキスタンの人かと思いきや、日本人。
軽く挨拶だけして、アクタルが「そこらへんで座ってて」と言うので窓際の座布団席に座る。
なにか手伝うわけでもなく、ただぼーっと眺める。そのうち掃除が終わり、彼らはテーブルでアクタルと話し始めた。
ぼんやりと眺めていたら、隣の隣のパキスタン人の男性がカレー食べながら手招きしてきたので、近づいてみる。
「何か食べれば?」
そうよね。食べてもいいよね。アクタル忙しそうだし。
座布団席で始まった「ダルチャナを待つ物語」

パキスタンカレーは年に3回食べるかどうか。嫌いじゃないけど、近くにないし、アルコールもないからじゅんが行きたがらない。
でもメニュー見るとちょっとワクワクする。
とはいえ、わたくしは肉系食べない。なので自然と選択肢は絞られる。
「ダルチャナ(豆のカレー)ください」
あとはお持ち帰りでビリヤニをじゅんとおみそさんに。
注文してくれたのは、隣のパキスタン人・アハマドさん。
この人、すごい気がきく。自然に優しい。なにこの見守り力。パキスタンの人ってほんと優しい。
アクタルのおともだちらしく、「このあと彼のオフィス行くから一緒に行こうね」と言う。
……え?わたくしのお守りを任されたのかしら。
なんて思いながらFacebookで繋がったりしていた。
それはそうとダルチャナが来ない。
ダルチャナが来ない
アハマドが注文してくれたの、何時だったっけ?
ダルチャナは来ないまま。そしてアハマドは急に席を立って消えてしまった。
え、どこ行ったの?
と思ってたら、日本語の丁寧すぎるメッセージが来た。
本当に本当に感謝しています。本当にごめんなさい。
外で待っている方がいます。
だから今度行くつもりです。
その時は一緒に話して、一緒に座りましょう。ありがとう。
なんて丁寧なの……やさしすぎる……
でも、ダルチャナはまだ来ない。
その間に来た日本人のお客さんは
注文→食べる→帰る
を普通にやってる。
わたくしのダルチャナだけ時空に取り残された。
次のお客さん(男女ペア)が来て、チキンホワイトカラヒとチキンなんとかを頼む。
デザートは「ノーハルワ。キールならあるよ」と言われていた。
わたくしのダルチャナはまだ来ない。
もしかして注文通ってないんじゃ……
と思った頃、レジから「ビリヤニできたよ」のサイン。

お持ち帰りビリヤニは通ってたらしい。
でもダルチャナはまだ来ない。
アクタル登場。そして衝撃の事実

そのタイミングでアクタルが帰ってきた。
「何食べる?何がいい?」
なので状況を説明する。
「アハマドが注文してくれたんだけど、ダルチャナが来ないの……」
ダルチャナの話をしつつなんだかあれこれ注文してくれてる様子。ついでにアハマドがオフィス行こうねって言ってたけどいなくなっちゃった話をしたら、
「アハマド?え?そんな話してないよ。」
……はい?
つまり
- アクタルは誰かに多神和のお守りを頼む気ゼロ
- わたくしが勝手に「お守り役つけてもらった」と思い込んでただけ
- アハマドのやさしさが暴走していただけ
危うく、知らんパキスタン人について行くところだったじゃんわたくし。
誘拐未遂(文化のギャップ版)。
こういうところがね……もうたまらなくパキスタン。
その会話していたら、ついにダルチャナが来た!

アクタルが一緒に注文してくれた別の豆カレーと共に。
アハマドのダルチャナだけ通ってなかったんか!!
食べる。幸せ。

ロティと一緒にいただく。

おいしい……ふわふわの豆にじゅわっとしたスパイス。

辛いけどおいしい。インドともぜんぜん違うこの油浮きスタイル。

そしてザルダ。キラキラしたカラフルな甘いお米。カルダモンと、なんかいろんな香り……なにこれ天国?
お腹いっぱいすぎて残した分はお持ち帰りに。
ここから「これがパキスタン!」が始まる
アクタルが「行こうか」と言うので、てっきり家に送ってくれるのかと思ってプリウスに乗ったら……
でもなんか違う道走ってる。どこ行くの?
到着したのは車がいっぱい停まった謎の場所。
アクタルが突然降りて軽トラの鍵を持ち、
「みわ、プリウス運転してレストラン戻ってきてね!」
え?
プリウスのギアどうやって操作するの?
予告なしでいきなりドライブ実技試験。
どうにか運転してレストランに戻ると、今度は厨房から何やらデカい設備を軽トラに積み始めた。

え、次は何?
これ降ろすの?
帰れるの??
と思ったら今度はわたくしも軽トラに乗せられ、また別の場所へ走り出すアクタル。
アクタルの持ってる物件に着き、レストランのスタッフも到着。「みわはそのまま座ってて」と言われ、軽トラの激しい揺れで何かをどっこいしょしてることだけ知る。
そしてまたレストランへ戻る。
……荷台にはまだ厨房設備が乗っている。
降ろせなかったんだろうか。
もはや思考停止。
でも帰れるならなんでもいいや、と思いながらプリウスに戻る。
最後にデーツ買って帰る

アクタルを待ってる間にレストラン敷地内の向かいのお店へ。
見たことないスパイスやお菓子がいっぱい。
アクタルも戻ってきておすすめのデーツを教えてくれたのでそれを買った。
プリウスに乗ったらまたアクタルは通話し続けている。食洗機12万円の話とか、ウルドゥー語でまったく内容不明の会話とか。
そうこうしてたら家に近づいてきた。
忙しいのに送迎もしてくれてありがとう。オープンほんとにおめでとう。
帰り際に、
「みわへのお土産にパキスタンの靴あるよ。今度渡すね」
って、数年前と同じこと言ってバイバイした。
パキスタンのやさしさは、いつも想像の斜め上からやってくる。
PUNJAB RESTAURANT
所在地:〒939-0304 富山県射水市小杉白石120
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00
電話番号:0766545413
HP:PUNJAB RESTAURANT


















