仏教映画…こちらは禅がテーマです
映画「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」が人気のようですね。そこからの流れで北大路欣也の空海を観たわたくし、さらに「禅 ZEN」も観ました。Amazonプライム便利。北大路欣也の空海はDVD買うレベルでお気に入りになりましたが、こちらの禅はどうだったかというと。
正法眼蔵をあらためて読みたくなりました。しょうぼうげんぞう。
ただの道元さん好きです。すみません。まあそうは言っても映画の感想について書いていきましょうね。観たことですし。ざっくりまとめるとこうです。
- いいです!道元さんのこと知らない人でもそれなりに楽しめます
- 道元さんのことがわかります!!
- 大悟するときの映像にびっくりします
- おりんの存在は賛否あるかもしれないけど…アリ
- 後半突然ファンタジーになるからびっくりします
- 全体的に映像のセンスに驚くことがあります
もうちょっとまとめて言うならこう!
「ツッコミどころはあるけど道元さんを知ることができるいい映画」
うん。いい映画でした。ツッコミどころに関しては他の方々のレビューを読んでください。
いい映画って言っちゃうのは道元さん好きっていう補整が含まれてる気がしないでもないです。いや、むしろこれで道元さんいいなって思う人も出てくるはず。というわけで以下道元さんについて少し説明していきます。
まだこの映画観てない人は予習にどうぞ。読んでから観ると楽しめるはず。
道元さんについて
道元って名前聞いたことあるけど詳しくは知らないわって方は多いかと思います。なので道元さんについてざっくり説明していきますね。難しい言葉については後から説明するので、なんとなく読んでください。
- 日本における曹洞宗の開祖
- 14歳で得度
- 24歳で入宋し、老典座と出会う
- 26歳で天童山にある曹洞宗の如浄に会い正師と定める
- 天童如浄の「身心脱落」の語を聞いて得悟
- 帰国後、京都に興聖寺、越前に永平寺を開いた
- 只管打坐(しかんたざ)を説き,「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」などを執筆
老典座
ろうてんぞ、と読みます。老年の典座というわけです。典座というのは禅寺の食事係のことで、道元さんはそれまでは食事の用意などは修行の妨げになると思っていましたが、老典座との出会いから「食」に対して誤った認識に対して自省し、そのときのことを『典座教訓』にも書いています。
食事の用意も修行、食べることもまた修行であると。
若干余談ですが、今年「典座」という映画が10月に完成予定らしいですね。
これも楽しみにしています。
「身心脱落」
これまたちょっと難しい言葉ですが、「あらゆる自我意識を捨てる」ということです。道元さんの思想を理解するためのキーワードと言ってもいいかと思います。
自分と他人を比較して、嬉しくなったり落ち込んだりします。そんな自我意識なんて捨てちゃえ!というのが「身心脱落」です。
只管打坐
どうやって自我意識を捨てるんですか…っていう話になりますが、ただひたすらに座禅あるのみと。とはいえ、ずっと座っているということではなく、食べること、眠ること、日常生活のすべてが座禅であると道元さんは言っています。只管打坐(しかんたざ)…この言葉は映画の中にも出てきます。
このあたりのお話は一昨年NHKで放送されてた100分 de 名著シリーズの本がやさしくて読みやすいのでおすすめです。がっつり読みたくなったらひろさちやさんの正法眼蔵や、禅文化学院の正法眼蔵を読んでみると楽しいかもしれません。
NHK「100分de名著」ブックス 道元 正法眼蔵 わからないことがわかるということが悟り
まとめ
というわけで話それかけましたが、映画についてまとめます。短い時間の中で道元さんをぎゅっとつめこんだけれども重要なキーワードは盛り込まれていた素晴らしい映画だと思います。
ただ、キーワードについての説明なかったので、わからない人おいてけぼりにしてる感は否めません。
映像に関しては相当ツッコミどころはありますが、まじめになりすぎないようにバランスを取ったのかなと。そこも込みでいい映画だったと思います。昭和感漂う…というかこれ角川感ですよね。漂ってるの。
でも嫌いじゃないです。むしろ好き。
Amazonプライムで無料で観れるのでプライム会員の方はぜひ。あ、でもDVD買ってもいい作品かと思います。