【第21回文化庁メディア芸術祭受賞作品展】片渕監督インタビュー!「この世界の片隅に」の制作にあたって無我夢中になったこと

左から竹内オサム(功労賞)、田宮俊作(功労賞)、片渕須直(アニメ部門大賞)、上田文人(エンタメ部門大賞)、Haythem ZAKARIA(アート部門大賞)

「第21回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」が2018年6月13日(水)~24日(日)の間、国立新美術館他で開催されています。そして一昨日は報道関係者向けの内覧会が行われました。

個人的に注目していたのはアニメーション部門大賞を受賞した「この世界の片隅に」と、エンターテインメント部門で新人賞を受賞した「MetaLimbs」の2作品!このふたつをメインに見つつ、片渕監督にお話を伺ってきました!

「この世界の片隅に」の展示

この世界の片隅に

©Fumiyo Kouno/Futabasha/Konosekai no katasumini Project

背景や人物がどうやってつくられてきたかということがわかるような展示になっています。

年代が少し違うだけで、ちょっとした様子が変わっていることも作品の中で表現されていたり、映画の中では描かれていなかったものも展示されていました。そういう部分がたくさんあってこの作品は出来上がっているんだなというところも見て頂ければと思います。

©Fumiyo Kouno/Futabasha/Konosekai no katasumini Project

「この世界の片隅に」片渕監督インタビュー

とても丁寧な作品で、いろんな部分をものすごく時間をかけてつくりこまれているということはいろんなところで紹介されていました。が!mugazineとしては中でも「無我夢中」になった部分について聞きたいと思っていたら、お話を伺うことができました!

ー片渕監督が「この世界の片隅に」の制作にあたって、一番無我夢中になったことって何でしたか?

すずさんたちの仕草のひとつひとつです。

アニメーションって演技を省略してつくるんですけど、役者さんに演じてもらうのではなくて、僕たちがゼロから思い描かないといけないんです。そのときにそれをがんばってやったのがすずさんの仕草のひとつひとつですね。そこはものすごくがんばりました。

でもそのおかげで、映画を見てくださった方から「本当にすずさんと時間を過ごしたように思える」っていう声をたくさん頂けたので良かったなって思います。

なんせね、ご飯作るとか、普通のことしかしてないんですよ〜。でもそこにいる人だって感じてもらわないといけないんだっていう。

©Fumiyo Kouno/Futabasha/Konosekai no katasumini Project

今展示しているようなことを通じて、「すずさんはこんな人なんだな」っていうのは我々にもわかった。じゃあ、この人は毎日どんなふうに動作して生きているんだろうなってことを思い浮かべなければいけないんです。

これは2011年くらいにした仕事なんだけど、そこから6年かけてつくっているのですが、その6年の最後の方は「じゃあこういうところにいたすずさん、こういう世界にいたすずさんはどういうふうに振る舞ったのか」ということを考えるのに一生懸命で。

その時はご飯を食べる時間もなくて、昼休みがないだけじゃなくて、お弁当を食べる時間がなくて、毎日お菓子ばっかり。うまい棒を山盛りにしてうまい棒ばっかり食べてた。

ーうまい棒ばっかり!考えるにあたってヒントのようなものは何かあったんですか?

それは今急に思いつくようなことじゃなくて、ずーっと自分がこれまで生きてきた中で、あるもの、見てきたもの、だと思うんです。そういう中から、「これはすずさんなんだな」っていうのを思い出しながらやるんです。

今まで出会った人や見てきたものの中にすずさんはいたはずだっていうのを思い出しながらやるんです。

©Fumiyo Kouno/Futabasha/Konosekai no katasumini Project

ーすずさんを思い出しながら!いろんなところにすずさんを見出していくと…

そうなんです。それは新しく見つけるというのではなくて、本当に「思い出す」中で見つけていく感じですね。

ーとても貴重なお話をありがとうございました!

ありがとうございました。

この片渕監督の「思い出す」というのが作品中に出ているから、観ていてその世界の中にスッと入っていけるし、すずさんたちが自分の中にもスッと入ってくるんだなって感じました。素晴らしいお話を本当にありがとうございました!

そんなふうにして、すずさんを思い出しながらつくられたことをかみしめながらまた観たいと思いました。

MetaLimbs

この動画を見て頂ければ説明は不要かと。手が増えます!

「MetaLimbs」は、“身体性を自由自在に編集することはできるのか?”を明らかにするためのプロトタイプです。ユーザーに装着した2つのロボットアームを左右それぞれの足に対応づけて、靴下型デバイスで足指の動き、つま先と膝に取り付けた光学式マーカーで脚の動きを計測することで動かします。複数の腕によるインタラクションはユーザーの身体認知を変化させて身体感覚を拡張します。(公式サイトより)

これを実際に体験できる!と楽しみにしていたのですが、内覧会では体験できませんでした。どんまい。

これはぜひ体験してきてください!できなかったわたくしの分まで!!

第21回文化庁メディア芸術祭受賞作品展

受賞作品展では、多様な表現形態を含む受賞作品と、功労賞受賞者の功績を一堂に展示するとともに、シンポジウムやトークイベント、ワークショップ等の関連イベントを実施します。国内外の多彩なクリエイターやアーティストが集い、“時代を映す”メディア芸術作品を体験できる貴重な12日間です。

■第21回文化庁メディア芸術祭受賞作品展 開催概要
■会期 2018年6月13日(水)~ 6月24日(日)
■会場 国立新美術館、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター、スーパー・デラックス、表参道ヒルズ、ルミネ新宿 他 ※開館時間は会場によって異なります。
■入場料 無料

◉第21文化庁メディア芸術祭受賞作品展HP

写真:冨田実布