【ちぃろのみちくさ電子版】2018年4月/大阪城公園で出会った植物たち【フジ・シラン他】

春の陽気に、誘われて。

雑誌magazineで連載している「ちぃろのみちくさ」を電子版としてやってみることにした。編集長に勧められて重い腰を上げたのだが、一体なにをどう書けばいいのか自分でもわかっていない。

私は普段、みちくさの写真を撮ってはInstagramに投稿している。「インスタ映え」という言葉が聞かれるようになるずーっと前からインスタを愛用していて、magazineで連載を始めるまでは身内としか繋がっていない状態だった。
今はタグを付けるようになったこともあり、全く繋がりのない人からイイネをもらうこともある。イイネをくれた人の写真を見に行くと、新たな発見や気づきがあってなかなか面白い。

「ちぃろのみちくさ電子版」は、私がインスタに投稿した写真をまとめて紹介する場とさせていただく。誌面ではひとつの植物のことを書いているが、ここでは最近私が出会った植物をダラダラと垂れ流していこうという魂胆だ。
幸い季節は春。ひきこもり主婦が最も外出する季節である。そこに花が咲いていれば、ひきこもりだって外に出るのだ。気が向けば。

 

大阪城公園は、春爛漫。

私が植物撮影に出かけるスポットと言えば、もっぱら「大阪城公園」である。四季ごとにさまざまな植物に出会うことができる場所であることはもちろん、家から徒歩5分という近さも重要だ。15分以上かかる場所だとひとりでふらっと行く気にならない。と言いつつ、大阪城公園の敷地に入りさえすれば、平気で2時間以上歩き回ることもある。

そんな大阪城公園に、昨日行ってきた。今回の目的はフジ。フジの花を棚仕立てにしてある藤棚が、大阪城公園内にはいくつかあるのだ。場所をきちんと把握しているのは自宅から一番近い一ヶ所だけなので、とりあえずそこに向かった。

和名:フジ(藤)/学名:Wisteria floribunda/英名:Japanese wisteria

ほぼ散っていた。ほぼというか、咲いていたのはこのひと房だけだった。

今年は暖かくなるのが早かったせいか、サクラも例年に比べて開花時期がやたらと早かったから仕方ない。しかし、それにしたって早すぎないか。まだ4月だというのに。フジの開花時期は4~6月頃とされていて、大阪での見頃はちょうどゴールデンウイーク辺りだったはずだ。完全に油断していた。ひと房だけでも残ってくれていたことに感謝しよう。

今回の散歩には旦那も同行していたので、コンビニで購入したサンドイッチを藤棚の下のベンチに腰かけて食べた。強い日差しはフジの葉でやさしく遮られ、まだ少し冷たい風が通り抜ける。
春の陽気は暴力的なまでにやさしい。大阪城公園内のベンチには、横たわって爆睡する人の姿が多く見られた。そりゃそうなるだろう。

 

花を見つければ、立ち止まる。

藤棚の下で軽食を取ったあとは、旦那を引き連れてその辺をうろうろした。いつもは手を繋いで仲良く歩く私たちだが、撮影散歩となるとそうはいかない。花を見つけると急に立ち止まったり方向転換したり早足になったり、私の挙動が安定しないのだ。この状態で手を繋いでいると振り回されるのは旦那であるし、旦那の大きな体が邪魔して私の自由も効かなくなる。賢明な旦那は、私のリードを手放し、3歩下がって見守ることに徹していた。

今回行った藤棚の近くには、林や芝生エリアがある。ところどころに花が咲いていて、花を見つけるたびに私は立ち止まって撮影を始める。

和名:シラン(紫蘭)/学名:Bletilla striata/英名:urn orchid

シランが咲いていた場所の奥の林には、シャガも咲いていた。シランとシャガは、父から名前を教わった植物だ。私が知っている花の名前は、半分以上を父から教わったと言っても過言ではない。嘘か本当かわからないようなことばかり言う父だが、花の名前に関しては信憑性が高い。まあ、あくまで「高い」なのだが。
自然を愛する父の影響で、子どものころから植物に触れてきた。だからこそ植物と接しているとなんだか幸せな気持ちになるし、愛を感じる。ちょっぴりセンチメンタルなひきこもり主婦。

和名:ベニカナメモチ(紅要黐)/学名:Photinia glabra/英名:Japanese photinia

林の切れ目にある駐車場の生け垣を見ると、ベニカナメモチの花が満開だった。夢中で撮影している私に「チョウチョがいるよ」と教えてくれたのは旦那だ。
私は植物と昆虫のツーショットがたまらなく好きである。青空とのツーショットもいいのだが、チョウやハチ、テントウムシなどが植物と戯れている姿には悶える。これはなんとしても撮影したいと思ったのだが、チョウチョはひらひらと花の間を飛び交い、なかなかこちらへ来てくれない。「かわいく撮るからこっち来てー」と声をかけ、やっと少しだけ撮影チャンスをもらえた。

そう。植物撮影をしている時の私は、よく喋るのだ。植物や昆虫に話しかける。これはもう癖だし、カメラを趣味にしている人にとっては「あるある」だろう。

 

下を向いても、上を向いても、春。

木漏れ日が降り注ぐ林の中を歩いているとき、ふと天を仰いだ。

新緑の季節、木々が新芽を出してここぞとばかりに葉を茂らせる。萌黄色が眩しいこの季節は、上を向いて歩くのもとても楽しい。日差しと木の葉の生みだすなんとも言えない色がたまらない。
これからの季節、植物たちはキラキラと輝き、私を引き寄せる。あたたかな風と植物たちに誘われて、ひきこもり主婦はふらふらと外に出るのだ。

「出会いの季節」である春。ぜひ、植物たちとの出会いも大切にしてもらいたい。

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どちらかというと生活感溢れる投稿が多いので、みちくさ以外の閲覧は自己責任で。
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