DJ AKKY の人生は選曲だ!(32)ー眠れない夜に

前回のコラムでディスコ世代について書きました。

ディスコ受け継ぎ世代があれこれ混ぜ始める

ディスコを受け継いだ1968年ー1969年ー70年ー71年生まれが活躍する1990年代は、ファンク要素をロックに入れたり、その世代が10代の頃に聞いたファンクをサンプリングしてループしてトラック作ってヒップホップという新しい(グルーヴ要素)を作ったり、楽器というか電子機器(広い意味での楽器ですが)使ったり、はたまたロック要素にヒップホップやラップやファンクを入れたミクスチャー(海外ではクロスオーバー)と言われるようなジャンルやバンドも出てきました。

ってとこまでは前回のいわばあらすじと、ちょい追加。

海外で言えば、レッド・ホット・チリペッパーズとかフィッシュボーンとか、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとか、リンプ・ビズキットとか、ハウス・オブ・ペインとか、マニアなとこで言えば、リンボーマニアックスとか、日本だと、RIZEだったりDrogon Ashだったり、Back Drop Bomb だったり、ロックなのにラップ入れたり、スカサウンド取り入れたり、レゲエの曲あったり、読者で記憶にある方多いのではないでしょうか?

さて本編

で、今回は、そのクロスオーバーの世代の下。2022年現在40代のミュージシャン特集です。

ディアンジェロ    48歳
ロバート・グラスパー 44歳
ルーバン・ニールソン 42歳(アンノウン・モータル・オーケストラ)
カマシ・ワシントン  41歳
フライング・ロータス 38歳
サンダーキャット   37歳
ケンドリック・ラマー 35歳
トロ・イ・モア    35歳
ネイ・パーム     33歳(ハイエイタス・カイヨーテ)

ガチガチのジャズにヒップホップとかソウルとかプログレ要素とかを混ぜて混ぜて、で、ジャンルは何?と言われたら、そのミュージシャンの名前とその作品を言うしかない。

楽器演奏力や表現力も半端ない。サンプリングしてループ作ってグルーヴ出した曲をわざわざ楽器で再現したり、楽器で再現するとちょっとしたタメだったりズレができて、それがまたグルーヴを作ったりするし、DJ的にはぶっちゃけ繋ぎにくい(笑)なのでというか、ゆえにというか、どちらかというと全員でというよりも1人でじっくり大音量でお聞きいただきたいミュージシャンです。

音楽イベントでDJする際には、いっそハウスの四つ打ちの方が繋ぎやすいし、盛り上がりやすいので今回の選曲リストは僕のDJイベントでは聴けないです。

ディアンジェロの溜めて溜めて溜めて引く感じのファンクや、カマシ・ワシントンのジャズと言えばジャズなんだけど、プログレロックみたいな映画的な壮大な曲の展開っぷりとか、ケンドリック・ラマーが得意な、ちょっとひきずるようなリズムと独特のラップだったり、フライング・ロータスとサンダーキャットの宇宙人っぷりとか(サンダーキャットがStarWarsのテレビシリーズ出てたのを見た時はハマり役で呑んでたお酒を吹きそうになったけど)。

今回は選曲だけです。今回はあれやこれやのコメントはせずに、まぁ聴いてくださいな。

クロスオーバーと言えば

遡ると、ややこしいけど、(1968年ー1969年ー70年ー71年)が生まれた頃に、それまでのジャズからのエレクトリック音楽へのアプローチがあります。エポックメイキング。忘れちゃいけないのが、というよりも、発明。そのミュージシャンはマイルス・ディビス。と、マイルスのバンドに1963年から5年くらい在籍していたハービー・ハンコック。

マイルスは1960年後半に、当時人種と音楽性のいわば元祖クロスオーバーで活躍していたSly and The Familystoneのアルバムを聴いてエレクトリック化の参考にしたとか。

そんな1970年のマイルスの「Bitches Brew」は、一言「神との対話」です。「対話」。そんなマイルスの生前最後のアルバムは1992年に発表されたんですが、これがヒップホップ。どんだけ革新的なんだと。すげえな。

お約束ですが、プリンスもまたクロスオーバーなミュージシャン。プリンスとの共演ライブは1987年12月31日にプリンスの自宅兼スタジオ兼ライブハウスであるPaisley Parkで。

映像は2020年に発売されたSIGN “O” THE TIMES: Super Deluxe Editionに納められたDVDで見れます(余談ながら、こっそり宣伝するとJR五反田から池上線で3駅、荏原中延のPlanet Earthというプリンス好きな方マスターが居るバーではリクエストしたら店内で流してくれるかもです)

ファンキーなマスターはこちらに

最後に

そのバーで、マイルス聴いて、スライ聴いて、(今回書いてないけど)ファンカデリック聴いて、プリンス聴いて、フィッシュボーン聴いて、レッチリ聴いて、ディアンジェロ、ロバートグラスパー、アンノウン・モータル・オーケストラ聴いて、カマシ・ワシントン聴いて、フライング・ロータス、サンダーキャット、ケンドリック・ラマー、トロ・イ・モア・ハイエイタス・カイヨーテ聴いて、あいまあいまに「ボンベイサファイア」(お酒)飲んでたら、眠くなるどころか、思考がガンガン冴えてあっという間に朝とかあり得るから気をつけてー。(是非みなさん足を運んでくださいませ)

お仕事していて、眠れない日もあると思います。アレコレ考えて心配になると眠れないとか、考えすぎて眠れなくなる。そんな夜もあるでしょう。

逆らうのではなく、眠れない夜に聴いてこの混ぜて混ぜた感満載の曲を深く考えずにボーッと大音量で聴いて肩の力抜いてください。そうだなぁ。おでこの真ん中で聞く感じです。

と言うわけでリスト

また前回コラムに書きましたが、

のリストも併せて聞くのもおすすめですが、翌日お休みの日に……。

おっと。マイルスの沼プレイリストを発見

米ジャズ・メディア「JAZZIZ Magazine」が、マイルス・デイビスのいわゆる“エレクトリック・マイルス期”に特化したプレイリスト『Dig In: The Essential Electric Miles』<引用> こちらのサイト

『Dig In: The Essential Electric Miles』 沼すぎてヤバいです。

最後の最後に お詫び。

9月19日にDIsco&Funkのイベントを開催予定でしたが、楽しみにしていた方大変申し訳ありません。理由が理由なので、ここで書くのもなんですけど、父母が相次いで緊急搬送され、8月に足を運んだ場所はバーでもクラブでも海でも渋谷でも新宿でもなく「病院」でした。

会場を提供してくれた神田イゾルデさんの深いご理解を得て、延期としました。TwitterやInstagram、Facebookページなどで多くのお便り頂きまして全員に返信しきれてないので恐縮です。僕は8月で6キロ痩せましたが、なんとか元気です。
引き続き応援頂けましたら幸いです。

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ABOUT US
AkibaRyuji
東京生まれ東京育ち。元水球とラグビーの選手。原宿クロコダイルや本牧ゴールデンカップなど老舗ライブハウスやミュージックバーなどでDJ展開中。得意なジャンルはSoul Music やDiscoMusic。SoulBarをつくるのが夢。