ども、最近はお菓子の記事を書いてます、写真家の菊池です。
いろんな作品展にでかけても、書ってなんだかとっつきにくい気がしてます。
何が書いてあるのか読めないし、全部おなじに見えるし……。
そーゆー門外漢でもビビッと刺激を受けるような書展があったのです。
それが今から紹介する「越庵 槇冬菫の文字力(もじから)」なのです。
展示室に広がる異世界
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会場の散居村ミュージアムは富山県砺波市の町はずれ。田んぼの真ん中にあるのほほんとしたところ。
その静かな施設の一室で、この展示は行われております。
この展示室に足を踏み入れた途端、目に入るのは経文を全体に書かれた巨大な木箱。さながら耳無し芳一。
これは用途を失った古い家財道具(長持)なのですが、その周り中、内側、そして底面までびっしりと漢字で埋め尽くされているのです。
それも数十種の篆書体を用いて、一字一字、筆で書かれています。手書きです。
槇冬菫さん
これを作成されたのが、書家の槇冬菫さん。
富山県出身の書家で、書・篆刻のみならずパフォーマンスや新たな技法の開発までしてしまうバイタリティ溢れる方なのです。
そして今回、なんと毎日公開制作されております。
時には長持の中にすっぽりと収まりながら筆をふるっておられますよ。
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ライブなドキドキ感
「越庵 槇冬菫の文字力」では長持以外にも様々な民具が展示されています。
そして、今回の公開制作で槇冬菫さんは、そのほとんどを経文で埋めるとのことでした。
そもそもこの展示、古い道具を経を書くことで成仏させるというのがテーマなのです。
槇さん御本人いわく、書き上げなければ「自分が成仏できない」のだそうで。
最終日の3月9日には本当に間に合うのか!続きは自分の目で確かめてくれ。
展示および会場の情報
「越庵 槇冬菫の文字力」
会場 となみ散居村ミュージアム(富山県砺波市太郎丸80)
会期 2024/11/16-2025/03/09 (水曜・第三木曜・年末年始休館)
時間 9:00-18:00(入場は17:30まで)
入館料 一般100円 団体80円