【田中一村展】世界の見え方が変わる日本画【12月1日まで!】

東京都美術館で田中一村展がやっているのをご存知でしょうか。恥ずかしながら彼のことは全然知らなかったのですが、ここ最近で一番すごい画家でした。

会場内の撮影可能な場所がほとんど無かったので写真は少なめですが、行ける方には是非行って欲しい展示なのでひとまずレポします!!

画面越しでもすごいけど絶対に実物を見て欲しい!!!

先日、仕事で東京に帰っていた時のこと。田中一村という日本画家の大回顧展があるから行きたいという母のリクエストが。

わたくしときたら全然芸術家を知らないので「田村?なんとかさんの展示?はあ。いいよいいよ」なんて適当に返事をしていてろくに調べてなかったんです。

調べてみて、スマホでその絵を見て、目の色が変わりました。え、これ、ヤバくない?

そんで実物を見てきて、もうびっくらこきました。嫌になるくらいすごかったです。

ああ、私は写真家で良かった……もし画家だったらこの場で筆を折って辞めてるな。なんて思うくらいに。

写真は全然ありませんので、まだ見てない方は歯を食いしばって心の目で見てもらうしかないのが悲しいところ。

石崎光瑤展のノリで行ったら全然違いますね。これが東京か……。あれも東京でやったら大人気になるでしょうね。

田中一村もすごいけど、見に来る人の数もすごかった

かくして、行ってきました上野の東京都美術館!

平日だしそんなに人はいないんじゃないのお〜なんて余裕ぶっこいておりました。……とんでもなかったです。生まれて初めてあんな人混みの中で展示を見ました。

母曰く、NHKなどで沢山宣伝番組がやっているからその効果なんじゃないかと。

さすがテレビ。当日券を求める行列がすごかったです。でも意外と進むのは早かった印象。

終わりが近いですし入場制限もあると思うので、時間指定のチケットをネットで買っておくといいでしょう。

正に神童!私の知っている8歳の絵じゃない

幼少期は神童と呼ばれたそう。展示を見始めてすぐにその意味が分かりました。やべえ。

8歳ってもっとこう、大味な絵を描くもんでしょうよ。こんな繊細なタッチの8歳がいてたまるか。

ネットで検索するとヒットするので探してみてください。ビビります。

一村の周りの子供達はさぞ絶望したでしょうね。お絵描きの時間とかにこんなの描かれたらたまったもんじゃありませんよ。(そんな時間に描いたわけじゃなさそう)

人生何回目なんでしょう。絵筆を持って生まれてきたんじゃないかってくらいすごい。(そりゃお母さんは腹を痛めたはず)

展示されている作品数は250以上!

田中一村は絵画だけじゃありません。彫刻家である父親の影響で一村自身も様々な彫刻作品を残しています。

生涯に描かれた絵画作品としては、現在までに把握されているだけでも800作品はあるのだとか!とんでもない!!!

なんてったって8歳から始まってますからね。東京都美術館の3フロアに渡って展示されている今回の展示。多いよ……。

写真にものめり込んでいたという一村。スケッチのために撮られた写真なんかもあって写真の勉強にもなりました。

画家のフレーミング力の凄まじさをつくづく思い知らされます。

もう最初の方からずっとすごいから観る方も根気がいります。しかし人の列の隙間から覗くしかありません……。

あんなの並んで見てたら3時間以上かかります。覚悟して行った方がいいかも。

数少ない撮影スポット

没後に評価された孤高の画家

展示は観るだけで精一杯だったので図録を買いまして、あらためて一村がどのような人物だったのを知ることとなりました。せっかくなので図録に書かれていることなどからザックリ紹介でも。

東山魁夷、橋本明治、加藤栄三らの日本画家を同期にもつ一村ですが、18歳の時に画会を経験して以来、生前は一度も個展をやることは叶わなかったそう。

自分の将来行くべき画道をはっきり自覚したという一村でしたが、支持者からは一人の賛成者もなく絶縁し、アルバイトによって家族病人を養うことになったらしいです。

実は資料の見直しなどによって、これまで画業の空白期や、南画との訣別と解釈されていたようなことはなかったようですが、彼の孤独はいかほどだったのでしょうか。

しかし、描くことへの執念はとてつもないことはよく分かりました。模索を続けた千葉時代の風景画や支援者たちの肖像画や水墨画など、同じ人が描いたとは思えませんでした。

奄美時代に描かれた大作の数々は『閻魔大王えの土産品』

5年間勤めた工場でのアルバイトを辞めて移り住んだ奄美大島で、一村はついにその人生を全うしたのでした。

自分自身の画道を追求し描いた大作『アダンの海辺』を指して、1974年1月の書簡に「閻魔大王えの土産品」だと書き遺しています。

『アダンの海辺』

『アダンの海辺』をはじめ、『不喰芋と蘇鐡(くわずいもとそてつ)』などの絵を観ればその意味も分かるというものですよね。

『不喰芋と蘇鐡

実際の絵を目の当たりにしたら、陰影の細やかさや波の表現や石の一粒まで丁寧に丁寧に描き込まれていることが分かります。1つの作品だけでも日が暮れてしまいそうなほど見入ってしまいます。

欲しくなるグッズが沢山!!まるでセール会場

さてさて、一通り観てきてお腹いっぱい胸いっぱいになったところでトドメのグッズコーナーですよ。もう、ここも人!人!人!

初売りセールとか行ったことないけど、きっとこんな感じでしょうね。人の隙間をぬって商品に手を伸ばさないといけません。

そんでもってグッズがもう、清々しいくらい展開しまくりで良かったです。クリアファイル、お菓子、お茶、キーホルダー、マスキングテープやら何やら。

比較的安価なものや日常使いできるものから、ウン十万円もする高精細な印刷画まで、アホみたいに沢山の種類がありました。(褒めている)

そんでもって、そのウン十万円もするものに予約の印が沢山付いてました。しゅ、しゅごい……!!!経済回してる……ってコト!?

ちなみに、一部を除いて通販もしているようです。

東京都美術館ショップNHK出版のサイト

定番のポストカードは特殊サイズなんかがありまして、そのポストカード用の額縁まで作ってるんですねえ……。

これは買っちゃうよ

『アダンの海辺』のアダンという黄色い実なんて、ポーチとかクッションにまでなってます。いいぞ、もっとやれ!!

自分の分と、母の分と、来たくてもこられなかったというほりたさんへのお土産など。買いまくりました。

この図録、まさかの3500円!!や、安い……!そりゃ買います。

ミニチュア好きとしては、やはりこういうチャームは最高ですね。お金がいくらあっても足りませんが、もちろんカードが使えるので安心してご散財していただけます。(ニッコリ)

ちなみに、東京都美術館の常設ミュージアムショップにもいくつか田中一村グッズが置いてありました。

まとめ 超絶混んでても行って欲しい!!

さて、ここまで書いたらお分かりかと思いますが、絶対に最終日はヤバい混み具合だと思います。覚悟の上で、しかしこの機会を逃さないように是が非でも行って欲しいです。

これだけグッズ作ってるし、またやるんでしょ?と思っている方も多いことかと思います。私もそう願ってやまないのですがね、保証はどこにもありませんから……。

推しは推せる時に推せってやつです。観られると分かっているうちにどうぞ!!

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