もう言わずにいられない!こんなの初めてやわ…!?なバ・ー・ジ・ン・ト・ニ・ッ・ク!!
これまでmugazineで記事を書くにあたり、自分のブランディングを模索しながらやってきた。
そこで尊敬する雀鬼流の【桜井章一】風を気取って、自分のことをワ・タ・シなどと書いたりしてきたけど、普段の会話ではオレと言っているのに、どうも無理している感が拭いきれない。
自分を見失いつつあるので、今後は迷子にならないように普段の自分でいきたいと思う。
若干テンション変わりますが、今後ともよろしくお願いいたします。
さて本題にはいろうか。
オレには人生の四半世紀以上、こよなく愛し続けたモノが二つある。
第一にスノボ(スノーボード)。第二に酒。酒⇒スノボでもいいのだけれど、ここは歴の長さを尊重して第一をスノボにした。
しかし、オレは酒が好きだ!いや大好きだ!
一年を通して飲まない日は無いと言っていいくらい酒が好きだ!
これまでmugazineに記事を書くとき、いつも編集長ひげすけから言われていることがある。「同じ好きでもスノボのことならスラスラ書くのに、お酒の記事はなんでそんなに書けないの?」と…
言われてみると確かにそう。
どっちも同じくらい歴は長い。スノボは17歳から始めている。酒は…法律上3年は後になる計算だが、冬の数ヶ月しか活動しないスノボに比べたら明らかに飲酒歴の方が長くなる。
ビールはもちろんウィスキーやブランデーの洋酒、日本酒、焼酎、スピリッツ、リキュールまで飲めない酒は無いほどだ。
もちろん仕事柄、カクテルも飲む。
それなのになぜ、好きな酒の記事が書けない?
本当にひげすけの言う通りなのだが、今の世の中ググれば酒の記事など飽きるほど出てくる。言い訳のように聞こえるかもしれないが、酒の銘柄やランキング、飲み比べなど書きたいと思えなかった。
スノボ記事との違いをよく考えてみて、気がついたことが一つだけある。
自分で言うのもなんだが、これまで36年、周りにスノボをする人間が居ない中、七転八倒しながらオレ流でやってきた。
だからこそ自分にしか書けないことが山ほどある。
それに対して酒はどうだろう。もう出来上がった既製のシロモノに、記事を書く意欲が掻き立てられることはそうそう無い。
思い返してみると、酒についてこれまでに書いたものはほぼカクテルのことだ。
そこで気がついた。
カクテルならどうだろう?
既製のシロモノを使っていたり、スタンダードなレシピはあるが、造り手によって様々に変化するじゃないか。
そんな中には、オリジナルのレシピも出てくるだろう。
そう!本来のオレは職人気質である。
ならばバーテンダーとして、カクテルについて書けばいいじゃんオレ!
酒について書く準備が整ったオレに、その時がやって来た。記事を書きたくなるほどの美味しいカクテルに出会ってしまったのだ。
オレは基本的にジンが好きだ。ロックで飲むのはもちろん、時には強めのドライマティーニで飲むこともある。
「普段はビール飲んでます」という人と変わらないくらい、普段はジントニックをよく飲んでいる。
ビールの銘柄も多いけど、ジントニックもベースのジンや割り材のトニックウォーターが変わると無数のレシピが生まれるのだからヤメられない。
思いがけない贈り物!!
酒の記事が書けない…いや、書かないだけか?と自問自答している中、店に宅配便が届いた。
先日、白馬で一緒にスノボした後に富山まで遊びに来てくれた、ひげすけの友人からだ。
届くあてのない小包に「???」状態で箱を開けると、オリーブオイルが入っていた。
彼女はオリーブオイルの販売をしているらしく、オレらがカレーを作るのが好きで、オリーブオイルをよく使うという話を覚えてくれていたようだ。
しかも扱っているオリーブオイルはイタリア産の高級オイル。
メゾンブレモンド1830のエクストラバージンオイル・レラウドとフレーバーエクストラバージンオイル・レモンをいただいた。
どんなおつまみレシピに使おうか考えつつ、レモンフレーバーの味見をしてみた。
なんて美味しいんだ!
オリーブオイルだけど完全にレモンだ。レモンオイルといってしまいたくなるほどにレモンなのだ。オイリーさよりもコクといった感じで、そのまま飲んでもいいほど。
調べてみると「後からフレーバーを添加するのではなく、オリーブの実とレモンを一緒に圧搾することで、地中海のフレッシュなレモンの香りをぎゅっと閉じ込めました。」と書いてあった。
どおりでレモンなわけだ。
ついに出会ってしまった!!
そしてある日、記事になるかと思い以前から気になっていたジンを手に入れた。
【THE BOTANIST 22】
スコットランドのアイラ島にあるブルックラディ蒸留所で造られているジン。
アイラ島といえばスモーキーフレーバーなスコッチウイスキーの生産で知られる島だ。このTHE BOTANIST 22には、なんと31種類のボタニカルズが使用されている。
伝統的なジンのコアボタニカルズ9種類(アンジェリカの根、カシア、シナモン、コリアンダーシード、ジュニパーベリー、レモンピール、リコリスの根、オレンジピール、ニオイイリスの根)。
さらに手作業で採取したアイラ島に自生する22種類のボタニカルズ(ヨモギ、ヨーロッパダケカンバ、ヒース、カモミール、ヨーロッパアザミ、サンザシ、シモツケソウ、河原松葉、アイラ島産の野生ジュニパー、レモンバーム、ウォーターミント、スペアミント、アップルミント、ヤチヤナギ、藪人参、ニワトコ、ヨモギギク、ウッドセイジ、野生のタイム、アカツメクサ、シロツメクサ、ハリエニシダ)。
これだけのボタニカルズを使ってどんな味わいを出してくれるのか…
期待して飲んでみた。
えっ?ジン!?
ジンのボタニカルに代表されるジュニパーベリーの味や香りがあまり感じられない!!
しかもオレンジピールやレモンピールといった柑橘系のボタニカルも使われているのにそれも弱い!?
やはり31種類というボタニカルズのせいなのか?と思っていたが、喉を通るうちに味の深みが出てきたではないか。
舌触りもまろやかでどっしりと重みのある味だ。
この重みに似たコク…どこかで味わったような?
ちょっと待てよ!?
このタイミングでこの味わい…
もしや?
衝撃のエクストラジントニック誕生!!
まぁこの流れでお気づきだろうが、あのメゾンブレモンドのフレーバーエクストラバージンオイル・レモンだ!
このオイルをいただいた時に、カクテルにも使えそうといったひげすけの言葉を覚えていた。
忘却スキル高めな家系のオレにしては、思いがけないひらめきであったと思う。
先ずはTHE BOTANISTをベースにジントニックを作る。
THE BOTANISTのどっしりとした重みとボタニカルズの特徴を邪魔しないようにソニックスタイルのジントニックにした。
ソニックスタイルとは、トニックウォーターの甘味を抑えるためにソーダとトニックウォーターを半々にして割り材にしたものだ。
30mlのジンにソニックで割る。
そしていよいよメゾンブレモンドオイルの投入だ!
はじめはドキドキしながら、バースプーンに1/2(約2.5ml)をフロート。
んーーーうまい!!なんだこの衝撃!!
極まる美味しさ!!
オイルのコクとジンのどっしり感が絶妙に絡みあう。すぐにオイルは1tsp(5ml)で良いと思った。
しかし、フロートされているオイルは上澄みから飲まれていく。それでは最後までこの美味しさを楽しめないではないか。
そこで、コーヒーの時に添えるフレッシュピッチャーを使うことにした。我ながらいいアイデアだと思う。
フレッシュピッチャーに10ml程度を注ぎ、飲む時に少しずつオイルを足しながら飲めば最後まで楽しめるというわけだ。
THE BOTANISTとメゾンブレモンドオイル。これ以上の組み合わせは無いと言っていい。
家庭で楽しむには少し贅沢なカクテルになるが、お気に入りのジンとそこそこのエクストラバージンオリーブオイルでも雰囲気は感じられるかもしれない。
いつでもあなたを待っている
エクストラジントニックが飲みたくなったら、スナックランデブーへ。
どちらも上質で特徴も似ているのに、これまで出会うことのなかった両者。互いにこんなカタチで交じりあうとは思いもよらなかっただろう。
まさに同じ魂のかたわれ。ツインレイに出会うかのように生まれたカクテル…