はるじはひっつきたかった
はるじが肉体の衣を脱いで7日目。わたくしの右ほっぺに貼りついてから7日が経った。
東京から飛んできてしばらく滞在してくれることになった、頼もしい助っ人プロカメラマンのおみそさんとはるじの思い出話をしていてやっとわかった。
はるじのやりたかったこと。
はるじの好き
はるじはとにかくほりたさんのことが大好き。もちろんわたくしもはるじのことが大好きですけれども。
いつだかどれくらい好きなのかを日数とか好きな度合いみたいなものから計算して数値化したことがあって、それはそれはこれまでの比じゃないなっていう数字が叩き出されたことも思い出した。数字はもう忘れちゃったけど。
ふたりは基本的に24時間いつでも一緒。はるじはどこに行くのも一緒がいいっていうくらい。トイレとか、どうしても離れてないとダメな状況以外は本当にいつも一緒。
CM美術のお仕事でわたくしが東京に行った約1週間と、はるじが山のお仕事だった3日間を除いて、ふたりは本当に毎日一緒だった。
これまでひとりでやってきた地鎮のお仕事もはるじとふたりでやった。
いつも一緒にお互いのやってきてたことをお互いやり始めたり、ふたりで新しいことを始めたり。
ふたりでいろんなところにお出かけするのも楽しかったけど、お出かけするとその分ひっつけなかったことがさみしかったって言っておうちに帰ったらふたりでごろごろべったり。
ふたりで一緒にいることがなによりの幸せだったから、ケンカもしたけど、きちんと話し合って内観して終わるからケンカをしてもケンカじゃなかった。ケンカをしたらした分だけふたりは分かり合えたし、ふたりで霊性が高まっていった。
はるじを好き
はるじに好かれていたのはもちろんだけど、わたくしもそれはそれははるじのことが大好き。
はるじが聞かせてくれたいろんなお話に目をキラキラと輝かせてたら、「普通の人だったらドン引きするところだよそこ」って言われるようなことが何度もあったけど、全然引いたりしない。はるじの全部が大好き。
日々を重ねれば重ねるほど、どんどん好きが増えていって、はるじは毎日どんどんかっこよくなっていった。好きが増えてかっこよくなったのか、かっこよくなって好きが増えたのかわかんないけど、そんなのどっちでもいいや。肉体の衣を脱ぐ直前のはるじは最高にかっこよかったし、脱いだ後のはるじは至福の笑みだった。
好きったら好き
はるじのにおいも肌触りも全部好きで、やたらはるじのことをぺたぺたと触ったりしても、はるじは「いじくらしい!(≒うっとうしい)」っていいながら喜んでた。
ほりたみわ作詞作曲のへんてこソング「はるじ」をいつ歌っても喜んで聴いてくれた。
はるじは本当にふたりでひっついていることが大好きだった。スノボよりも山よりも。まあもちろん、スノボも山も行けるのに行かずにひっついてたりすることはなかったけど。
家の中でも手を繋いでた。階段を上り下りするときも。とにかくふたりはいつでもひっついてた。
ごはんの時はいつも隣に並んで食べるんだけど、はるじはお酒飲みながらちまちまつまんだりしているので、お酒も飲まずとっとと食べ終わったわたくしはそのはるじのほっぺにぴったりくっついて、はるじの動くほっぺを感じつつ、そこから食べてるはるじを見つめてた。
「はるじはこんなことされてて食べにくくない?嫌じゃないの?」って聞いたら「なーん(いや)、全然」って言いながらにこにこ。毎日の至福のとき。
この話をおみそさんにした時、おみそさんから「それが好きだったんじゃないの」って言われて、はるじがどうしてこんなにも右ほっぺにぴったりくっついているのかがやっとわかった。
はるじはこれをやりたかったんだ。
これからはいつでもぴったりくっついていられるね。