朝ドラ「ばけばけ」と一緒に楽しむ!高岡で出会う『小泉八雲と万葉集』

2025年9月29日(月)から放送が始まる連続テレビ小説「ばけばけ」。
“怪談を愛した作家・小泉八雲”をモチーフにした物語ということで、今から楽しみにしている方も多いのでは?

そんな旬のタイミングで、高岡市万葉歴史館では特別企画展「小泉八雲と万葉集」が開催中なんです!

ドラマで八雲に興味を持った方も、八雲ファンの方も、ここに来れば「怪談の人」だけじゃない八雲の新しい一面に出会えますよ。

小泉八雲って誰?

小泉八雲(こいずみやくも)は、本名ラフカディオ・ハーン。ギリシャに生まれ、欧米を経て日本へ渡りました。『耳なし芳一』『雪女』など日本の民話を『怪談(Kwaidan)』として再話し、世界に紹介した作家です。

今回の展示では、八雲の生涯から作品まで幅広く紹介。予備知識ゼロでも楽しめるので、むしろ知らないまま来た方が「えっ、そんなつながりが!?」と驚けて楽しいです。

知られざる富山と八雲のつながり

一番びっくりしたのは、富山県に「ヘルン文庫」があること!
これは小泉八雲の旧蔵書コレクションで、富山大学附属図書館中央図書館に収められています。

小泉八雲は、生涯に一度も富山を訪れたことはありませんでした。それではなぜ富山県に「ヘルン文庫」があるのでしょうか?

展示パネルによると──

富山大学に小泉八雲の蔵書「ヘルン文庫」があるのは、関東大災が契機である。

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の蔵書は、彼の没後も東京の小泉家に保管されていが、大正12年の関東大展災により多数の貴重な文献が焼失した。このため、蔵書を安全に保管できる大学へ譲渡することが検討された。

当時、富山では旧制富山高等学校の設立準備が進められており、その創設に関わった日節が、実弟で八要の教え子でもある田部隆次より小泉家の意向を聞き、譲渡を申し入れた。

また、石瀬の廻船問屋で資産家の馬場はるの協力により、蔵書の購入が実現して大正13年(1924)に富山高等学校へ寄贈された。この蔵者はその後富山大学へ受け継がれ、現在も研究や教育に活用されている。大正13)年の開校記念として寄贈されました。

ヘルン文庫の設立には、当時の価値で20億円もの資金が投じられたのだとか……スケールが桁違い!そのおかげで、今の私たちが富山で小泉八雲の書いた作品たちに触れられるというのは感謝しかありません。

晩年の遺作『天の河縁起』

展示で印象的だったのが、小泉八雲晩年の遺作である『天の河縁起』。
妻・セツと涙ながらに語り書いたという背景や、七夕歌についてパネルで丁寧に紹介されています。

実際に当時の装丁本も資料として展示されていて、その存在感だけでも圧倒的!
ページをめくることはできませんが、「これが八雲が最後に残した本なんだ…」と、ガラス越しに静かに向き合う時間は特別でした。

青空文庫で読める!

どんなお話なのか気になりますよね。ご安心ください。青空文庫で読めるんです!

士族の家に生まれながら家族のために機織りをしていたというセツは、織姫の物語に深く共感したそう。八雲もまた、この話を「日本で最も浪漫的」と称しました。

そしてここ高岡は、七夕まつりで有名な街。巨大な七夕飾りが街を彩る景色と、この作品が結びついたとき、伝説がぐっと身近なものに感じられます。

毎年8月にある高岡七夕まつりの様子

読む芸術品!縮緬(ちりめん)本

こちらには日本人なら誰もが知っている昔話「浦島太郎」こと、「浦島」という縮緬本も展示されていました。

縮緬本とは、明治時代に外国人向けに作られた日本土産の和綴じ本。和紙を縮緬のように縮ませて丈夫にしたものに、英訳と美しい挿絵が添えられていて、とても可愛らしいんです。

「昔話がこんな形で海を渡っていたんだ!」と驚くと同時に、現代でも欲しくなるようなデザイン性の高さにキュン。物語を“読む”だけでなく“見る”楽しさを感じられる展示でした。

佐竹美保さんの描く「雪女」未公開原画も!

さてさて、展示はこれだけじゃないんですよ!むがじんで以前インタビューさせていただいた、さし絵作家の佐竹美保さんが原画展示をされているんです!

佐竹美保さんが描く「雪女」の原画が見られるのはここだけ!未公開原画は必見です!

残念ながら展示風景は見せられませんが、初日は佐竹さんが在廊されていたのでチームむがじんで突撃してきました!

原画展示についてはむがじん編集長がレポートしてくれますので、お楽しみに!

二人だけの世界ができあがってました(羨ましい!)

まとめ

いよいよ始まる朝ドラ「ばけばけ」!
放送を見てから訪れれば、ドラマで描かれる八雲の世界を実物資料と重ねながら楽しめます。

高岡市万葉歴史館では、万葉体感エリアに佐竹美保さんがイラストを手がけたプロジェクションマッピングや四季を映す庭園、そして万葉学習エリアの充実した常設展示など見どころが盛りだくさん。

作品世界に包まれながら、小泉八雲の新たな一面を体感してみてください。

会期&イベント情報

特別企画展「小泉八雲と万葉集」

会期:令和7年9月18日(木)~12月1日(月)※火曜日休館
 ※9月23日(火・祝)は開催し、翌9月24日(水)休館

時間:4月~10月:午前9時~午後6時、11月~3月:午前9時~午後5時
 ※入館は閉館の45 分前まで

記念講演会「ラフカディオ・ハーンと万葉集」

日時:11月3日(月・祝)午後2時~3時30分
講師:中島淑恵氏(富山大学教授) 
聴講料無料 定員120人 ※要観覧料
※聴講希望の方は、事前に電話でお申込ください

担当研究員によるギャラリートーク

 ●10月4日(土)午後2時~ ※高岡万葉まつり期間 
 ●11月3日(月・祝)午後3時45分~ ※記念講演会終了後
 ●11月30日(日)午後4時10分~ ※学習講座終了後

◆万葉衣装体験

 山口千代子制作の美しい衣装で万葉の歌世界を楽しもう!
 11月1日(土)~3日(月・祝)午前9時~午後4時 
   衣装体験料 1回1名300円(受付は30分前まで)
  ※別途、観覧料が必要です

高岡市万葉歴史館

所在地:〒933-0116 富山県高岡市伏木一宮1-11-11

電話番号:0766-44-5511

HP:https://www.manreki.com/

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