デーヴァヴラタ→ビーシュマに進化!?
マハーバーラタはメインテーマに「誓い」と「運命」があるのですが、隠し味というか隠しテーマ的に「私」というものがあるんじゃないかなと思います。
あれこれ語ると「ほりたみわ」のフィルターを通してお伝えしてしまいかねないので、あまり語りませんが、ちょっとだけ意識して見て頂くとおもしろいかと思います。
デーヴァヴラタは帰ってきたものの、サティヤヴァティーにハートわしづかみされたシャンタヌは王位継承問題で困ってましたね。
それに対して、デーヴァヴラタが取った行動は…
勘のいいデーヴァヴラタ
シャンタヌが物思いにふけっていた時、デーヴァヴラタがたずねました。「あなたはどこから見ても安泰なのに、何故苦しんでいるのですか?何も口をきいてくれないし…」
勘がいいというよりも誰でも気づくレベルでした。そしてシャンタヌは答えました。
「あ…いや、息子ってお前だけなんだけど、人間って無常だから。お前に何かあったらうちの家系が存続しないから…」
となんだかもごもごと話します。そしてシャンタヌのお話はまだ続きます。
「100人の息子よりお前が大切なんだけど…家系が絶えないことも願ってるし…一人息子じゃ息子がないのと同じって法(ダルマ)を説く人も言ってるし…必要じゃないのにまた妻をめとるのもできないと思って…」
とあれこれ理由を一通り並べて説明しました。
全部聞いた聡明なデーヴァヴラタは考えながら外に出て、父の忠臣である老大臣に話を聞きました。大臣は例の娘のことをありのままに告げたのでした。(いいのかな告げちゃって)
それからデーヴァヴラタは老大臣とともに漁師の王のところへ行き、父シャンタヌのために娘を求めたのでした。
漁師の王の心配
漁師の王はデーヴァヴラタを歓迎し、集会所に座っている彼に言いました。
「最高の息子であるあなたの申し出に対し、何の不足があるだろうか。最高の神仙アシタがサティヤヴァティーを欲しがったときでも拒絶したんだけど。…ただ、唯一の難点はあなたが王位継承の強力なライバルになることだ」
そう言われたデーヴァヴラタは答えました。
「私の真実の誓いを受けてください。あなたの娘に生まれた息子が王となるでしょう。」
すると再び漁師の王は言いました。
「うんうん…それは全く疑いないことなんだけど…あなたに息子ができるのではないかというのが大きな心配で…」
あっ…(察し)
真実の法に専心する男(デーヴァヴラタ)は漁師の王の言葉を理解して言いました。
「私はまず最初に王位を捨てました。そしてまた私の子供についても決意します。今日以後梵行(禁欲)を守ります!息子を持ちません!」と。
彼の言葉を聞いて、漁師の王は総毛立って喜び、「娘を与える」と答えました。
ビーシュマ誕生
それを聞いていた天女や神々や聖仙の群が花の雨を降らせました。「彼はビーシュマ(恐るべきもの)だ」と言いながら。(それ以降彼はビーシュマと呼ばれるように)
そしてビーシュマは漁師の娘サティヤヴァティーを車に乗せてシャンタヌにすべてを報告しました。そこにいた周りの人たちも彼のなしがたい行為を讃え「彼はビーシュマだ」と言ったのでした。(ここでも言われてます)
父のシャンタヌはビーシュマの行為に満足し、「自分の欲するときに死ねる自由」を彼にあたえたのでした。
…というわけで、デーヴァヴラタがビーシュマに進化しました。ビーシュマ誕生です。
そして以降ビーシュマさんはずっと物語の重要なポジションにいます。バガヴァッド・ギーターを楽しむための重要人物です。
今日はここまで。思いのほか進まないですね…。
待ちきれない方はYouTubeで日本語字幕ついてるドラマ版マハーバーラタを観るのもおすすめ。若干脚色されてる気がしますがおもしろいです。インドでは最高視聴率92%を記録した大人気ドラマ!