泣けるゾンビ映画?そんなバカな。
泣けた。ものすごく泣けた。
なんでゾンビ映画でこんなに泣かなきゃいけないんだよってくらい泣いた。
危なく嗚咽を漏らすところだった。
ざっくりとしたあらすじ
バイオ研究所からゾンビ菌が漏れてゾンビが溢れる、というよくある設定。
ギクシャクした父娘が乗った新幹線がゾンビを乗せたまま走り出して、さあ大変。
韓国では2016年の夏に公開されたパニックホラー映画で、日本では2017年9月1日に公開された。
※映画ポスターの写真がどうにもパッとしないのは、行きつけの映画館のポスターの飾り方に問題があるのだ。
照明の反射とか気にしなくていい場所に飾ってくれよと毎回思う。
光溢れるホラー映画
私と韓国ホラーとの出会いは、2006年に公開された『グエムル-漢江の怪物-』だった。
韓国一の川〝漢江(ハンガン)〟に住み着いた怪物から娘を救い出そうとする家族の物語で、どえらい衝撃を受けた。
グエムルの印象的な場面といえば、緑溢れる平和な河川敷に突如として現れた怪物から人々が逃げ惑うシーンだ。
「爽やかな青空の下」で「怪物に襲われる」という演出にものすごくときめいた。平和な河川敷が一瞬で狂乱の園に変わる様子は素晴らしかった。
グエムルで感じた胸の高鳴りは、今でも忘れられない。
『新感線 ファイナル・エクスプレス』も、「爽やかな青空の下」を走る新幹線の中で「ゾンビに襲われる」のだ。
車窓から差し込む太陽光の中で暴れまわるゾンビの姿に、11年前と同じ胸の高鳴りを感じた。
薄暗いホラー映画を見ていると「なに?よく見えないんだけど…」という気持ちになることが多々あるが、光溢れるホラー映画は見やすくていい。
目の疲れ方も全然違う。
メインテーマは〝家族愛〟
ゾンビ映画はこれまでにいくつか観たが、泣いたことなど一度もなかった。
自分を犠牲にして愛する人を守る男の姿も、世界を救うために犠牲になるヒーローの姿も、私の涙腺を刺激することはなかった。
だが『新感線 ファイナル・エクスプレス』には、自分でも驚くほどに涙腺を刺激された。
それも一度ではない、2時間のうちに三度ほどやられた。しかもうるうるレベルではなく、だばだばレベルでだ。
家族愛はずるいって!!!
そんなん泣いちゃうって!!!!
あと、これには出てなかったけど動物も反則な。
まとめ
『新感線 ファイナル・エクスプレス』は、ゾンビ映画の中で家族愛を描いた作品ではない。
家族愛を描いた映画に、ゾンビが(目立ちすぎる)脇役として出演している作品なのだ。
こんだけ褒めちぎっておいてなんだが、突っ込みどころも多々あった。
逆に言えば突っ込みどころのない作品など存在しないわけだから、気にしなくていいのだ。
元気なゾンビにドキドキしながら家族愛に涙したい人は、是非映画館へどうぞ。
公開からすでに1ヶ月近く経っているので、間に合わない人はDVD待ちでどうぞ。