DJ AKKY の人生は選曲だ!(5)サンプリングとはなんだ?の巻

DJ AKKY の人生は選曲だ!第5回目です。

KORG Electribe Sampler

 

唐突ですが、サンプリングってみなさん聞いたことありますか?

例えば、お仕事でお客さんを多く集めるようなことをされているとか宣伝するとかであれば、街角で商品をサンプリングしてアンケートに答えてもらってその結果を分析して、、、みたいな感じで実際に使っているかもしれません。

音楽コラムですが、サンプリングは曲名でもグループ名でもありません。

じゃあDJ とか音楽に関係しないんじゃない?って話になっちゃいますが、これがめちゃめちゃ関係してるし、このコラムを読んでからは音楽の聴き方がガラっと360度変わる、そんなお話です。嘘です。180度です。あ、うそごめんなさい。へー、あーそうなんだー。くらいでもいいです。変わってね(笑)

 

そもそも音楽を演奏しようと思ったら

楽器、必要です。まぁそうです。ギターだったり、ピアノだったり、ドラムだったり、楽器が必要です。
欲しい楽器を楽器屋さんに行って、これがいいかなアレがいいかなとか考えて買いますよね?

で、まぁギターだとしましょう。そして店員さんに言うわけです、ギター欲しいんですけど。
親切な店員さんは、こんなのどうですかーとか言って持ってきてくれたり、弾いてみてくださーいとか言ってくれるんですが、ド初心者が一発で弾けるわけないんです。

そのとき買いに来てるのはなぜかって言ったら、かっこいいあのフレーズを自分も弾いてみたい!これに尽きます。
ここの「やりたい!」って気持ちから、弦を張ることを覚え、この指がここのところを押さえ、この指がここで。と普段やらない指の形をし、「この曲かっこいいんだけど、特にこの曲のここ!このフレーズ!」。あぁ!憧れのあのフレーズを弾きたいのに、指は思ったように動かない。何回も何回も弦は切れてしまう。すぐに買いにいけない。

そして心もプツッと切れてしまうのです。あとでいいや。そしてもういいや。
憧れて買ったギターは押し入れか物置か(いまどきなら、スマホのフリマアプリなどで手放し)、音楽から少し距離があいてしまう。

それは少し哀しいですね。

何が言いたいかというとですね。
頭の中で鳴ってる曲や、歩きながら思いついたその曲を演奏し表現するまで、演奏力を身につけるまで、めちゃめちゃ時間がかかるってことなんです。

 

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誰でもすぐに演奏できるような楽器はないものだろうか。

演奏する技術を身につけるには、努力と根性で身につける時期が必要だったのですが、80年代から90年にかけては「サンプラー」という機器により音楽を演奏することが少し変わってきます。
「この曲かっこいい!特にこの曲のここ!」をデジタルコピーし、そこの部分を代わりに「演奏」してくれるのです。

サンプラーが出始めの頃は1秒とか2秒ほどしか再生できなかったのですが、いわゆる機器の進化と90年代後半以降のパソコンの進化でどんどんやれることが高度になってきます。
およそ人間では再現できないだろうというフレーズも再現できるようになります。演奏することをしなくても録音した素材で演奏ができるようになったのです。

 

昔は体で覚えて真似する、今はまんまコピペする

曲を演奏するには、「そのフレーズを自分でできるまで体で覚える」だったんですが、「データ化して複製して応用して再生」するということがこの40年くらいの間(1980年くらいから2020年現在)で、どんどん高度に出来るように。
すると何が起こるかというと、かっこいいフレーズをコピペ(パクる)して演奏する人たちが一気に増えてきます。そのフレーズがどんどんいろんな人にパクられます。
演奏して覚えるよりもコンピュータを使って演奏する方が圧倒的に早いですから、それが特に80年代中盤から後半に入ってから顕著になってきます。コピーアンドペースト。どんどん出来ます。

サンプリングはsamplei+ing,sampling 抽出するということなんです。

「いいとこどり」して、機器ですぐに曲にしちゃう。
で、「聞いたことがある」&「かつ新しい」曲が生まれてきます。まぁそうですよね。作られた曲の中には「誰もが感じるかっこいい曲のフレーズ」があるわけですから。

機器さえ買えば楽器演奏のスキルがなくても、そう、サンプラー(採取する)機器とシークエンサー(連続して鳴らす)機器、リズムボックス(ドラムのようにリズムを再現する)で演奏のおよそのことができるようになってくるのです。(余談ですが今回記事を書く際にいろいろ通販で機器を調べたらまた買いたくなってきて危うく『沼』にハマるところでした。汗)

 

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サンプリングは「思想の伝達。史実と系譜の伝承方法」

サンプリングは、必死に0から作った方は「俺のフレーズが盗まれた」と思うかもですね。

実際にサンプリングによって、次世代にその名前が知れ渡り超リスペクトを受け、今でも活躍しているアーティストがいます。
その人はGeorgeClinton。1970年代にParliament/Funkadelicという音楽集団を率い、その時代に黒人コミュニティに相当な影響力を与えるまでになりました。

サンプリングを語る際に彼の曲は欠かせません。

1982年に発表されたソロアルバム「Computer Games」というアルバムに収録されたATOMC DOG という曲です。
跳ねるようなビート。特徴的なフレーズとシニカルな歌詞。抽出される要素は音楽のフレーズだけではなく、思想もサンプリングされて一気に拡散されます。

大合唱が起こるフレーズがこちら。

 

Why must I feel like that
Why must I chase the cat
Just the dog in me
Nothin’ but the dog in me

Bow-wow-wow-yippie-yo-yippie-yeah
Bow-wow-yippie-yo-yippie-yeah

 

まんま訳せば「なんでこんな気持ちになるんだ?なんで女を追っかけなきゃいけないんだ?わかるか?俺が犬だからだぜ。ワンワンって吠えるしか能がない犬だからだ」ですが、「なんで俺がこんな思いをさせられるんだ?女を追っかけさせられるように仕組まれてんのはなんでなんだ?俺のことを犬だって扱ってんだろ?」と。

そうです、犬扱いをしているものへの政治的な側面を持ちます。

ComputerGames/ George Clinton AtomicDog 収録。

この曲が持っている「ヒップが跳ねるようなリズムとシニカルな歌詞」を元ネタにどんどんいろんな曲が出来ていきます。
Whosampled .comによれば、その数313曲(たぶんもっとある)。

82年くらいに少年だった世代が80年後半になり、電子機器の発達とともに育ち、その息子たちの親世代のレコード棚にあるかっこいいフレーズをサンプリングしまくり、自分たちで楽器を演奏することなく自分の音楽が作れる。メッセージも届けられる。

サンプリング機器とそれまでのサウンドのコピペの掛け算で生まれた音楽ジャンルが、ヒップホップとも言えますね。
2000年以降のGeorge Clintonはヒップホップだけでなく他の音楽へも影響を与え続けています。

 

さてお約束、プレイリスト。

Atomic dogをサンプリングした曲を集めてみました。
これ90年代の代表曲ばっかりじゃん!という人も多いかもしれません。80年代後半から音楽聴きまくってた僕は、後から後から出てくる曲を聴きまくって90年代が終わったようなそんな思い出があります。

懐かしい人はその時代を思い出しながら、初めて聞く人はぜひ踊ってください。

 

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イベント速報

自粛モードになっていたDJ活動も再開します。
再開第1弾は荏原中延に出来たMusicBar PlanetEarth さんのオープン記念イベントです。

6月28日日曜日19:00くらいから廻します。お店自体は15:00くらいから開きます。
ぜひお越しくださいませ。エントランスフリー、チャージ無し、要ドリンクオーダーです。

https://www.facebook.com/events/559875371554788/
オープン記念イベント Up All Nite with Prince というイベントです
(JR山手線五反田駅から東急池上線に乗り換え、3つ目。荏原中延駅から徒歩1分。らぁめん花月を右。不動産屋を左。すぐを右。コインランドリーの前のビル1Fです)

5.1chでスピーカー設置。音響は半端なく最高です

最上段の雑誌は知る人ぞ知るbeatlegMagazine

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カテゴリ: ミュージック
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ABOUTこの記事をかいた人

AkibaRyuji

東京生まれ東京育ち。元水球とラグビーの選手。原宿クロコダイルや本牧ゴールデンカップなど老舗ライブハウスやミュージックバーなどでDJ展開中。得意なジャンルはSoul Music やDiscoMusic。SoulBarをつくるのが夢。