DJ AKKY の人生は選曲だ!(22)−僕が聴き込むロックバンドとは(後編)

というわけで、後編です。後編は前編が「知ってる」「バンドの名前は聞いたことある」だったと思います。
ハードロックはそこまで聴き込んでなくても聴いたことある。そうロックバンド初心者向けかもしれません。

後編は、中級者向けというか、前編で紹介したようなロックではないんだけど、ドファンクな音楽でもない。アラフィフ世代には知ってるバンド名が出るかと思います。

後半はアラフィフにはミクスチャーといえば通じるかもしれません。そんなバンドです。ぜひこれを機にたくさん聴いて欲しいです。

1966年 男性女性および白人黒人混成バンドの出現

それまでの黒人音楽は、モータウンレコード所属のミュージシャンが売れまくっていたころで、同時代のザ・ビートルズ 以上の人気があったそうです。

モータウンサウンドは曲開始数秒でツカミをする音楽。礼儀正しい紳士淑女がエレガントにドレスを着て愛を歌う。とはいえこの時代、黒人は黒人の音楽、白人は白人の音楽というジャンルというか人種差別がまだ根強くあったのも事実。

そんな中に男性女性および白人黒人混成バンドがデビューします。音楽性はロックでもないファンクでも無い今まで聴いたことがない音楽。この後の音楽シーンを開拓したミュージシャン。それがスライ&ザ・ファミリーストーンです。

名曲は多く、I want to take you higherやsing a simple songなど。Thank you という曲(およびその思想)は、約20年後ジャネット・ジャクソンのアルバムRhythm Nation 1814のRhythm Nation でサンプリングされます。

Sly & The Family Stone Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)

Janet Jackson – Rhythm Nation

時代同じくして、ギターの神。ジミ・ヘンドリックス・エキスペリエンスとバンド・オブ・ジプシーズ 

ジミ・ヘンドリックスは1966年渡英しHey Joe /Stone Free でデビュー。ジミを出演させなければ(1967年モンタレー)フェスにはならないとポール・マッカートニーから大推薦を受けたアーティスト。

そしてその後のギタリストに多大な影響を与え27歳という若さで1970年9月にこの世を去ったアーティスト。 そのアーティストがジミ・ヘンドリクスです。

彼はジミ・ヘンドリックス・エキスペリエンスを結成し、当初は「白人向け」として売り出されてたようで黒人ミュージシャンから相当なパッシングを受けたりされたそうです。

ジミ・ヘンドリックス・エキスペリエンス解散後はバンド・オブ・ジプシーズを結成。前者がどちらかというとブルースやロック主体であったのに対し、バンド・オブ・ジプシーズはファンク寄りのロック。サイケデリック・ロック。マイルス・ディビスが絶賛したというMachine Gunが収録されています。

この世を去る2週間前にポール・マッカートニーにこんな電報が届きます。

写真
https://vocal.media/beat/jimi-hendrix-and-miles-davis-sought-paul-mccartney-for-what-could-have-been-a-sublime-project

ポールはスケジュールの都合でセッションに参加できず幻のバンドになってしまうのですが、もし実現していたらギターがジミ・ヘンドリックス。

ベースがポール・マッカートニー、トランペットがマイルス・ディビス、ドラムがトニー・ウィリアムスと超スーパーバンド。メンバーを書いただけでもゾクゾクします。

11月27日はジミ・ヘンドリックスの誕生日。HappyBirthday JIMI!

とにかく沼。真っ黒な沼。ハマる。Funkadelic

沼です。このバンドを語るにはちょっとややこしいんですが、中心人物のジョージ・クリントンがThe Parliamentsというコーラスグループを作ったものの契約の関係でその名前が使えなくなり、ほぼほぼ同じメンバーでロックバンドを作ったのがこのバンドです。

最初の1、2枚は後にジョージ・クリントンが自伝「ファンクはつらいよ」で認めてますが、キメキメで音楽作ってた頃の時代。

ザ・ビートルズもスライもジミ・ヘンドリクスもキメキメで音楽作ってたそうですから、60年後半とかは相当ヤバかったんだと思いますが、今はキメキメは出来ませんのであしからず。(キメキメが何であるかは、ニュアンスで感じ取ってください)

お酒飲みながら聴くとガチやばい。特に6枚目のtanding on the Verge of Getting It Onのエディ・ヘイゼルのギターがすごいことになっています。

SlyやJIMIの系譜を引き継いでいるサウンドメイキング。ジャケット絵もキメキメな感じ満載。この盤以降はジワジワとファンク色強くなりディスコサウンドへと移っていきます。

Funkadelicはロックバンドながらヒップホップのサンプリング音源

The Parliamentsはのちに契約の都合上Parliamentという名前になり、70年代はParliamentとFunkadelic名義で出した曲で当時のチャートが埋まり、90年に入るとその曲を聞いた育ったキメキメのブリブリのアーティストがその音源をサンプリングします。

90年代ヒップホップはジョージ・クリントンやParliament /Funkadelic無しでは語れません。Dr.DreやSnoopDoggはサンプリングというか愛あるオマージュで彼らのファンに広めました。

2pacがソロ前に在籍していたDigital UndergroundはデビューアルバムでParliament /Funkadelicの音源をこれでもかというくらいサンプリングします。

1960年後期に結成されて、数多くのメンバーチェンジを繰り返してはいるものの、中心人物であるジョージ・クリントンも健在、そしてバンドも解散していない。未だに現役でライブもしている。

という割には日本ではあまり知られて無いんだよなぁ。不思議です。ぜひレコードやCDではなく、ライブを体験してほしい。

僕は都合4回参加し、93年の川崎での講演で前座はブーツィ・コリンズ!…の総計6時間ライブが忘れられません。ビルボード東京で2回見てます。

噂では2022年に来日してビルボードでライブするかも???だそうですが、こればっかりはチケットが売り出されて当日にならないとわかんないです。

May 11, 2019, at Dolby Theatre in Los Angeles
GRAMMY nominee Snoop Dogg, who will salute Clinton and Parliament-Funkadelic

そして紫の雨を降らせた王子。アルバムパープルレインはビルボードチャート連続24週1位をゲット

お約束!ここでプリンスです。そういう流れです。

プリンスは決して0から生み出したわけではなく、ジャケット写真からも敬遠されがちなのですが、よくよく聞くと諸先輩の影響を受けつつも時代の音(今まで聴いたことない音楽)を生み出してます。

超有名曲Let’s Go Crazyは2016年にフィギュアスケートの羽生選手(衣装も紫でプリンス的!)が演じる際に流れたあの曲です。

ロングバージョンのLet’s Go Crazy Special Dance Mixを聴くと、随所随所に諸先輩の影響が見られます。

衣装も紫でプリンス的(プリンシー)

THE TIMEが与えた音楽シーンへの影響

Princeは(これも不思議な事に日本ではあまり知られてないんですけど)THE TIMEというバンドをプロデュースしていて、ソウル、ファンク、ロックをギュッと濃縮し、のちにミネアポリス・サウンドと呼ばれるサウンドを作っていきます。

当時THE TIMEに在籍していたジミー・ジャムとテリー・ルイスは、ジャム&ルイスというプロデューサーチームとして80年代半ばからの音楽シーンを激変させます。

前述したジャネット・ジャクソンのRhythm Nation 1814はその代表作。またTHE TIMEの少しナンパな感じで、ド派手のスーツでファンクを演奏するスタイルはBrunoMarsにも、日本で言えば音楽性はあの安室ちゃんにも少なからず影響を与えています。

THE TIME-Jungle Love

Black Cat(Janet Jackson)/安室奈美恵with SUPER MONKEY’S

LIVING COLOUR, FISHBONE, RED HOT CHILL PEPPERS

黒いレッド・ツェッペリンと言われたLIVING COLOUR。

ボーカルのアンジェロの195cmの巨体から繰り出される威圧感と重量感、あの東京スカパラダイスオーケストラも影響を受けたというFISHBONE。

そしてレッチリことRED HOT CHILL PEPPERS。

彼らの音楽に影響を受けたフォロワーはたくさんありますね!特にFISHBONEのベストヒットUSA出演時の映像は必見です。暴れすぎでしょ! 

Living Colour – Cult Of Personality

FISHBONE ベストヒットUSA出演時の映像

Red Hot Chili Peppers (feat. George Clinton) – Give it Away (Sydney, Australia) (20/02/2019)

継承者に共通すること、それは…

時代が変わるにつれ、その時代を作り上げたアーティストは必ず人気の浮き沈みがあります。それは前編でも紹介したアーティストも変わりません。

そして先人のアーティストの影響を受けた継承者アーティストは、必ずその影響を受けたアーティストを公言し、何らかの形で自らのファンにその先人のアーティストを知らしめること。(ステージにゲストに呼んだり、コラボして曲作ったり、ソロアルバムをプロデュースしたり、ステージで曲をカバーしたり)

意外に難しいと思うんですよね。ともすると、オレがワタシがと我(が)が出てしまうし、出た瞬間、ファンの支えていたその手をフッと消してしまいかねません。手が消えた瞬間ステージへ引き上げてくれる手も失い、結局は誰も語ることなく消えてしまうと思うんです。

DJの持つ役割

僕が選曲するのは「この曲すごいだろ!」や「お客さんのリクエストに応える」だけでなく、影響を受けたアーティストの曲をちょいちょいかけて、それがきっかけで聴きはじめたり、聴き直したりする人が増えればいいなという思いで廻しています。

先人の音楽を継承できるように。

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