40年、炎を絶やさない男のライブに学ぶ「熱量の持続」
会場の熱気、始まりは開演前から
2025年8月18日、吉川晃司の還暦ライブ「KANREKI ROCK」に行ってきました。
グッズ販売は11:30開始。会場前には長蛇の列ができ、私自身も2時間半並びました。
開演前から2時間以上も立ち続けるのは決して楽ではありません。それでも不思議なことに、誰一人として不満を漏らす様子はなく、むしろその時間を「誇らしげに」楽しんでいるようにさえ見えました。
列を見渡すと、平均年齢は55歳前後。そりゃそうですよね「モニカ」は1984年の作品。もう41年前の曲。そんな中、20代と思われるお子さん連れの親子の姿もちらほら。青春の記憶が親から子へ自然に受け継がれていく、そんな美しい風景が広がっていました。
ライブ前から始まっていた”祝祭”-ファンマーケティングの極意
このグッズ列自体が、すでにひとつの「コミュニティ」でした。
思い出話に花を咲かせるグループ、スマホをかざして「これが昔の吉川だよ」と語る親、目を輝かせて初ライブを待つ10代の姿──。
年代も背景もバラバラな人々が、「吉川晃司」という一点で自然とつながっていく。企業がどんなに戦略を練っても、そう簡単には生まれない“熱量の共有”が、そこにはありました。
バズることではない、本当のファンマーケティングとは「熱量の持続」にこそあるのです。
「熱量の持続」はこうして生まれる
「熱量の持続」というのは、ライブを体験していいライブだったね!で終わらせるのではなくて、3つのフェーズに分解してみますね
1:ライブ前:期待を育てる
2:ライブ当日:体験を最大化する
3:ライブ後:余韻を日常へつなぐ
の3つだと思っています。細かく書くなら、、、、
① 期待を育てる ライブ前(告知〜当日までのワクワク)
- 告知映像やSNS投稿でカウントダウンを仕掛ける
- グッズやセットリストの一部を「チラ見せ」することで期待感を育てる
- ファンクラブ限定の事前コンテンツ(裏側レポート、リハ映像など)で「仲間内の特別感」を強める
👉 ここで「心の助走」をつけることで、当日の熱量が一段高くなる!
② ライブ当日(体験を最大化する)
- 待機列=苦痛の時間を「体験の一部」に転換
例:BGM・過去ライブ映像・サプライズMC映像・ARフォトスポット - グッズ購入後の「シェア導線」を作る(SNSにすぐ投稿したくなる袋や背景ボード)
- 会場内の空気感を“ライブ前のセレモニー”として設計(照明演出やオープニング映像で高揚感を繋ぐ)
👉 「時間を共有している」という感覚を濃くすることが、熱量を下げさせない
③ ライブ後(余韻を日常へつなぐ)
- エンドロール的なアフターコンテンツ
例:終演直後に「ありがとう動画」や「次回予告映像」を配信す - 購入したグッズを着用・利用して「日常で思い出せる設計」
- SNSやコミュニティで「感想を交わす場」を公式が後押し(ハッシュタグ企画など)
- 数日後に「ライブ後アンケート」や「ベストシーン投票」で余韻を再燃させる
👉 自然に熱が冷めるのではなく、余韻を小さな炎として保ち続けることで、次の参加意欲につながる。

「吉川晃司」というブランドが示すもの
18歳でデビューして2025年8月18日で60歳。40年以上にわたって音楽活動、俳優活動を続けて来られた吉川晃司という存在は、単に「かっこいい曲」「上手い演技」だけでは語れません。曲が素晴らしいとか演技が上手い。だけではなくて、なぜ続いているのか? それは彼がファンの「小さな炎」を絶やさず、ずっと灯し続けてきたから。
一度築いたイメージ──体型、佇まい、役者業も含めて──を裏切らない。「職業:吉川晃司」として、己を律してきたその姿に、ブランドの真髄があります。
ブランドとは、ファンとの“約束”です。
そして吉川晃司が40年以上守り続けているその約束とは、
「かっこいい存在であり続けること」
その一言に尽きるのだと思います。
以前こちらで書きましたが、
40年以上、炎を絶やさなかった「吉川晃司」というブランド
2025年8月18日、60歳を迎えた吉川晃司。18歳でデビューして以来40年以上、ミュージシャン、俳優として第一線で走り続けてきました。それは単に「曲が素晴らしい」「演技が上手い」からだけではありません。
ファンが持つ炎を絶やさず、大切に灯し続けてきたからこそ、ブランドとしての「吉川晃司」が存在するのだと思います。
ブランドとは、ファンとの約束です。吉川晃司が守り続けてきた約束――それは「かっこいい存在であり続けること」。体型維持や俳優業の継続も、その一環です。40年以上それを貫いていることは、やはり驚異的です。
というわけでお約束セットリスト
当日のゲストとの共演セットリストです。少しでも会場の熱量や、吉川晃司がかっこいいなと思ってもらえたら嬉しい。これからも大先輩の背中を見て、DJとして「かっこいいとは何かを表現しつづける」そんなことが出来たらと。