前回のコラムでディスコ世代について書きました。
ディスコ受け継ぎ世代があれこれ混ぜ始める
ディスコを受け継いだ1968年ー1969年ー70年ー71年生まれが活躍する1990年代は、ファンク要素をロックに入れたり、その世代が10代の頃に聞いたファンクをサンプリングしてループしてトラック作ってヒップホップという新しい(グルーヴ要素)を作ったり、楽器というか電子機器(広い意味での楽器ですが)使ったり、はたまたロック要素にヒップホップやラップやファンクを入れたミクスチャー(海外ではクロスオーバー)と言われるようなジャンルやバンドも出てきました。
ってとこまでは前回のいわばあらすじと、ちょい追加。
海外で言えば、レッド・ホット・チリペッパーズとかフィッシュボーンとか、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとか、リンプ・ビズキットとか、ハウス・オブ・ペインとか、マニアなとこで言えば、リンボーマニアックスとか、日本だと、RIZEだったりDrogon Ashだったり、Back Drop Bomb だったり、ロックなのにラップ入れたり、スカサウンド取り入れたり、レゲエの曲あったり、読者で記憶にある方多いのではないでしょうか?
さて本編
で、今回は、そのクロスオーバーの世代の下。2022年現在40代のミュージシャン特集です。
ディアンジェロ 48歳
ロバート・グラスパー 44歳
ルーバン・ニールソン 42歳(アンノウン・モータル・オーケストラ)
カマシ・ワシントン 41歳
フライング・ロータス 38歳
サンダーキャット 37歳
ケンドリック・ラマー 35歳
トロ・イ・モア 35歳
ネイ・パーム 33歳(ハイエイタス・カイヨーテ)
ガチガチのジャズにヒップホップとかソウルとかプログレ要素とかを混ぜて混ぜて、で、ジャンルは何?と言われたら、そのミュージシャンの名前とその作品を言うしかない。
楽器演奏力や表現力も半端ない。サンプリングしてループ作ってグルーヴ出した曲をわざわざ楽器で再現したり、楽器で再現するとちょっとしたタメだったりズレができて、それがまたグルーヴを作ったりするし、DJ的にはぶっちゃけ繋ぎにくい(笑)なのでというか、ゆえにというか、どちらかというと全員でというよりも1人でじっくり大音量でお聞きいただきたいミュージシャンです。
音楽イベントでDJする際には、いっそハウスの四つ打ちの方が繋ぎやすいし、盛り上がりやすいので今回の選曲リストは僕のDJイベントでは聴けないです。
ディアンジェロの溜めて溜めて溜めて引く感じのファンクや、カマシ・ワシントンのジャズと言えばジャズなんだけど、プログレロックみたいな映画的な壮大な曲の展開っぷりとか、ケンドリック・ラマーが得意な、ちょっとひきずるようなリズムと独特のラップだったり、フライング・ロータスとサンダーキャットの宇宙人っぷりとか(サンダーキャットがStarWarsのテレビシリーズ出てたのを見た時はハマり役で呑んでたお酒を吹きそうになったけど)。
今回は選曲だけです。今回はあれやこれやのコメントはせずに、まぁ聴いてくださいな。
クロスオーバーと言えば
遡ると、ややこしいけど、(1968年ー1969年ー70年ー71年)が生まれた頃に、それまでのジャズからのエレクトリック音楽へのアプローチがあります。エポックメイキング。忘れちゃいけないのが、というよりも、発明。そのミュージシャンはマイルス・ディビス。と、マイルスのバンドに1963年から5年くらい在籍していたハービー・ハンコック。
マイルスは1960年後半に、当時人種と音楽性のいわば元祖クロスオーバーで活躍していたSly and The Familystoneのアルバムを聴いてエレクトリック化の参考にしたとか。
そんな1970年のマイルスの「Bitches Brew」は、一言「神との対話」です。「対話」。そんなマイルスの生前最後のアルバムは1992年に発表されたんですが、これがヒップホップ。どんだけ革新的なんだと。すげえな。
お約束ですが、プリンスもまたクロスオーバーなミュージシャン。プリンスとの共演ライブは1987年12月31日にプリンスの自宅兼スタジオ兼ライブハウスであるPaisley Parkで。