
かっこいいってなんでしょうか。もちろん世代ごとの「かっこいい」は違います。
なかなか男性で40代くらいから「かっこいい」を維持できるのが難しくなります。
体型だけで言えば、代謝は落ちるわ酒の量は増えるわ、業務のプレッシャーは半端ない。いわゆる中間管理職で、幹部候補になれるかどうかの頃。
さらに運動量は落ちていくし、(胸に手をではなくお腹に手を当てて思い返してください汗)ぶっちゃけお金払えば手っ取り早く手に入るモノを身につけるしかなくなってくるんですよ。でもそうじゃないよね。って思うんです。
今回は「かっこいいとは何かを表現しつづける男」吉川晃司特集です(以後恐縮ながら敬称略です)。
吉川晃司と言えば、モニカでの衝撃的なデビューや、COMPLEX時代、1990年からのソロ再始動で90年代ではシングルヒット続出。
2000年、35歳になった吉川晃司は、映画「漂流街」「天国から来た男たち」、渡哲也とのオーラの競い合いが半端なかった「レディ・ジョーカー」、天才外科医を演じた「チーム・バチスタの栄光」と映画出演が続き、2009年NHK大河ドラマ「天地人」では織田信長を演じました。
僕が大好きな2010年「仮面ライダーW」ではストーリーに重要な役で出演。テレビでは「下町ロケット」財前部長、最近ではNHK朝ドラ「舞い上がれ!」大河内教官など主役以上の演技で話題になりましたね。
この時代だけ見ると確かに俳優です。俳優活動から得た美学や経験が増してきた40代後半から「かっこいい」が増し増し。
その「かっこいい」を知るために、直近の10年間の音楽活動を振り返ってみます。
目の鋭さ サムライ感

2013年 SAMURAI ROCKアルバム、視線を外したのにも関わらず、目の鋭さが半端ない。
この将来を見てきたかのような視線と熱く語るような手つき、ちょっと痩せてたころですが、それが余計にソリッド感。研ぎ澄まされた日本刀のようです。近くに居たら、僕は秒でごめんなさい言います。
このアルバムのPVはその目からどんどんカメラが引いて行く演出ですが、このPV作った人は吉川晃司の魅力をわかってるなぁ。
背中。戦う男の背中。

前作WILD LIPS。見てこの背中。ご本人です。繰り返します。ご本人です。この背中半端ない。いろんなニュースでちょいちょい露出されてますが、吉川晃司は元水球選手。しかも高校時代にはU-20の日本代表で最年少選手に選ばれてます。とはいえですよ、40年前の話ですよね?
なんちゃってフェルミ推定するとですね。例えばこの背中。仮に女性に向けたアピールだとして、20歳から74歳までの女性は約4236万人。
かりに100人に1人がこの背中に夢中になったとして、42万人!
もしくはそれ以上の女子は、このジャケット見た瞬間に、それはそれはもう、えぇそれはそれでもうなんてゆうか、なんてゆうかですよ。どう書いていいかですが、いろいろないろいろなその、かなりヤバかったんじゃないですかね?気絶させに来てますよ。男性でも憧れる方多いはずです。
ええと、さらっと書きますが僕も元水球選手。8年間の選手時代に水球選手の背中は50人や100人という数じゃないくらい試合で見てる。練習量も半端なかったのも身体でわかってます。なので僕は言い切ります!
この背中は「THE がつく水球選手の背中!」 THEがつくんです!戦った男の背中です。
50歳過ぎた男性の背中がいまだに現役選手の背中とか、あり得ないです。常に鍛えてなければ、それこそ毎日毎日ガチで10kmとか泳がなければ、こうはなりません。憧れる。この背中はかっこいい!

その作品から6年ぶりのアルバム。over the 9 こちらも艶気半端ないですね。ジャケットもしびれる。吉川晃司は(またはプロデュース側のスタッフは)吉川晃司の「指」がセクシーだとおわかりのようですね。
生オーラがヤバい。
2023年2月23日。忘れられないライブになりました。KIKKAWA KOJI LIVE 2022-2023 “OVER THE 9” TOUR FINAL
吉川晃司『KIKKAWA KOJI LIVE 2022-2023 “OVER THE 9”』ツアー告知SPOT
場所は日本武道館。親しい友人からまさかの2日前のお誘い。飛びつきました。Over the9 アルバムのツアーファイナル。約2時間のステージは1曲目から温め方が半端なかった。
じわじわとあげていくからね。という一言に凝縮された「掌の上で転がすからな」圧倒的なオーラ感やばい。
新旧の名作を織り交ぜて2023年モデルを作っていく構成。ツアーメンバーはthe Yellow Monkeyの菊地英昭がギターだったり、またもう1本のギターはルナシーのINORANだったりとキャリア的な後輩のプレイを心から支えて好きにやらせるような活躍できるような出番を作る様な懐の深さ。
いやさすがですよ。オーラ感すごいんだけど、ありがちな俺様すごい!俺が俺が俺が!ではないのよね。
撮影でDVDになったらバッサリ切られると言ってたコンサート中の語りというかトークも芸人さんですか?と思うくらい茶目っ気ありあり。
笑いあり、たまに撮るポーズは「命!」なポーズなんじゃないか?いやまさかまさか。とか。反面、魅せるとこは魅せる。しなやかに場を作る。大人の余裕がなければできないですね。
ニコッと笑ったときの目元にまたこれも女子は、いろいろないろいろな部位がヤバかったんじゃないですかね?生ライブで気絶させるつもりなんでしょ?お約束のシンバルキックもかっこいいし、ため息しかでませんでした。かっこいい……。
そして声がやばい
声ね。やばいね。グッとくる。渋い。年々渋くなってくる。前述しましたが、2010年に仮面ライダーWでハードボイルドな探偵、鳴海荘吉を演じました。渋かった。ハマり役でした。
が、その時の声は今映像で見たらそこまで渋くない。2017年に喉にポリープがあって切ると声が若くなるから切らないとか話題になりました。ジョーコッカーみたいに渋い枯れた声がいい。と。わかる。わかる!
2023年モデルの吉川晃司の声は渋すぎ。これ。武道館で生で聴けるとか思わなかった。
鳴海荘吉名義での。Nobody’s Perfect
ヤバいっすね。誰も完璧じゃないんだ。ここまで書いててあまりのかっこよさに何度も僕は死にそうになってます。
日本刀のような鋭さや、背中、声、表現力。この魅力はどうやったら醸し出させるのでしょうか。
そう、それは彼は先人の教えを受け、後輩に教え伝える人。音楽業界と俳優の史実と歴史の継承者だからです。(言い切ります!)
音楽の系譜
Nobody’s Perfectという曲名から、ちょっと強引につなぎます。1984年デビューのモニカは超有名なので皆さんご存知かと思いますが、その作曲者はNOBODYというユニット。
NOBODYは矢沢永吉のバックで演奏してた2人。その後、大沢誉志幸、原田真二から楽曲提供を受けます。
また原田真二&クライシスのメンバーだった北島健二、PINKのメンバーだったホッピー神山、サディスティック・ミカ・バンドのメンバーだった後藤次利、あるいはCHAR(意外でした!)やなどそれまでの音楽のメインストリームに居たミュージシャンが参加してますね。
曲では、モニカ、サヨナラは八月のララバイ、You Gotta Chance 〜ダンスで夏を抱きしめて〜とNOBODY作曲が続き、1985年4月、にくまれそうなNEWフェイスで、2曲連続で初登場1位。
にくまれそうなNEWフェイスではベースや編曲に後藤次利が入ります。初期3枚はそういったミュージシャンから受けたノウハウなどをどう消化してどう表現するかの試行錯誤する時期だったのかも。
映画の系譜
また、歌手デビューなんですが同時に俳優としてもデビュー。デビュー映画で主役。
1984年2月1作目「すかんぴんウォーク」では小松政夫、蟹江敬三、宍戸錠、原田芳雄、2作目1985年2月「ユーガッタチャンス」では浅野ゆう子、柴俊夫、1986年4月3作目「テイクイットイージー」では、名取裕子、黒沢年雄、寺尾 聰など当時の映画スターとの共演を果たしてます。
お気づきですよね?デビューして3年以内の出来事ですからねこれ。音楽的には無名の広島の高校生ですよ。デビュー前は。
民川裕司3部作はこちら。



*全部劇場で観れたんです。ささやかな自慢です!
ファッションの系譜

さてファッション。世界観がありますね。ライブ場ではちょいちょいメイクしてたけれど、3枚目のアルバムイノセントスカイではジャケットデザインを自らプロデュースしたり、

シングルのジャケット写真をメイクで飾って初登場1位になったのが、前述した、にくまれそうなNEWフェイス。洋楽では男性アーティストもメイクし始めた時期、日本でオリコン1位を取るアーティストで、ジャケット写真で使われたのは初ではないかと。超衝撃的でした。
