湯川真紀子のコトワザ・ジャイアント第1回「二階から目薬」(にかいからめぐすり)

湯川真紀子のコトワザ・ジャイアント

お笑い芸人、湯川真紀子が諺や慣用句など、こすられまくった喩え言葉についてニヤニヤしながら書いています。

「もどかしい」

二階から目薬

アンドレ・ザ・ジャイアントなんですよ。タイトルの元ネタは。

1970年代から80年代にかけて活躍したプロレスラー。身長223㎝、体重236㎏。大巨人、人間山脈、一人民族大移動、アンドレ・ザ・ジャイアント。

その体の大きさ故に、リングのロープがたわみ、トップロープとセカンドロープの間に腕が絡まってしまうというハプニングが起こりがち。腕がロープに取られているために身動きがとれないアンドレにチャンスとばかり対戦相手が向かっていくと、逆にカウンターキックをお見舞いされがち。カウンターキックをお見舞いしたあとは、腕はロープから外れがち。

ね。ですから、タイトルの元ネタはアンドレ・ザ・ジャイアントなんです。で、ことわざのことを書こうと思っているので、コトワザ・ジャイアント。

しかし、これだけ何回も「アンドレ・ザ・ジャイアント」と連発していると、「コトワザ・ジャイアント」じゃ語呂が悪い。どうにも一音足りない。

だったら「コトワザ・ザ・ジャイアント」にしてはどうかと思うのですが、しかしあれだからな。「コトワザ」の「ザ」と、「アンドレ・ザ」の「ザ」がかかっているからな。だから「コトワザ・ザ・ジャイアント」にしてしまっては意味がないのですよ。

では、必殺技として、「ん」や「っ」を文字の間に挟み込むというのはどうだろう。意味が強まるし。「ガタガタ」を「ガタンガタン」にしたり「ガタッガタッ」にしたり「ガッタガタ」にしたりする例のあれです。

「コトワンザ・ジャイアント」。

・・・予想以上に膨らみそうにない。あれあれベーキングパウダー入れないでパン焼いちゃったのかな。

よーーーし、もうこうなったらジャイアント・ヘッドバットだ!!

ジャイアント・ヘッドバットとは、アンドレ・ザ・ジャイアントの頭突きです!

ふははは、どうだ、意味がわからないだろう!!私だってわからないのだからな!!!

ジャイアント・ヘッドバット。別名「二階からのヘッドバット」。

二階から目薬

てなわけで、「二階から目薬」。気になる。非常に気になることわざです。

なかなかうまくいかず、もどかしい。似ている状況について考えてみました。

「針に糸を通すのだが、持っているのが糸の端から15センチのところ」

ああ、もどかしい。しかも、この場合、ものを縫うために針に糸を通したのではつまらない。

やっぱり、無目的に針に糸を通さなくっちゃ。縫うために通すのでは、なんか、「早く通さなくちゃ縫えないじゃない。急いで急いで!」みたいなニュアンスが入ってきてしまう。

恐らく、二階から目薬をさそうとした人も、点眼目的ではないのだと思う。

・・・いや待てよ。もしかして、点眼目的だったのかな。だとしたら、大変なことになる。ああ、花粉で目が痒い痒い、ああ、もういてもたってもいられない、助けて!助けて早く目薬を!目薬を二階から!!

そうだ、やはりそうなのだ。だって、そうした方が目薬だって効くに違いない。効能アップだ。そうでもなければ、二階から目薬をさすなんて発想が出てくるわけがない。

そういえば、普通のヘッドバットより、ジャイアント・ヘッドバット、すなわち二階からヘッドバットの方が威力が凄いもんな。

【二階から目薬】物事が思うようにいかず、もどかしいさま。 また、回りくどくて効果が得られないことのたとえ。

イラスト:ほりたみわ