やさしいけどそこそこ本格的な張子の作り方
張子!と言いましても日本全国、いえ、国外でも作られておりまして、その作り方は基本的には同じですが、細かな部分ではさまざまです。
それぞれの土地でそれぞれの作り方になっているので、いろんな方法があるのですが、ここでは比較的現代風にアレンジされた作り方をお伝えしていきます。
あ。みなさまはじめまして。わたくし、熊手芸術家のN山ひげすけと申します。張子初心者だったわたくしが独学ではありますが、今では販売できるまでの張子を作れるようになりました。
というわけで、ここを読めば初心者さんでも作れるよう、張子の作り方についてお話させて頂きます。よろしくお願いいたします。
めんどくさがりなわたくしでも作れるやり方なので、難しくなく、めんどくさくもありません。材料をそろえるのが少し大変かもしれませんが、張子紙もおいおいオンラインショップで販売できたらいいなと思っています。
今回は型作りから完成までのおおまかな流れです。それぞれの工程の細かなお話はまたあらためて。
1.型作り
まずは張子の元となる型を粘土で作ります。型を作る時に気をつけるポイントとしては「形をがんばりすぎない」ということです。というのも、紙を張ったり、型から抜いたりの難易度が高くなってしまうからです。細かくするのは慣れてきてからがおすすめです。
今回の写真では「インコちゃん」という鳥型のものを作っています。奥は人型だったり、鯛のベースだったりしています。使用した粘土は「ヤコのオーブン陶土」というもので、オーブンで焼成できる粘土です。
2.型に紙をはる
1の型とは別の型ですがそこはお気になさらず。型に張子紙をはっていきます。張子紙というのはその名の通り、張子用の紙なのですが、入手は若干困難です。
張子紙がない場合は書道教室で使用済みの半紙をもらってくるのもありかと思います。新聞紙で作ることも可能ですが、その際はきちんと糊付けをしながらはっていきましょう。
張子紙はその名の通り、張子のための紙なので貼るのがものすごく楽だし、細かくちぎって貼ったりするわけでもないので丈夫です。なんなら自作したいくらいですがさすがに無理なので、紙漉き職人さんが作ってくれた張子紙を購入しています。
張子紙で全体をぐるりできたら、半紙を何度かはっていきます。ある程度はれたら乾かします。
新聞紙でやる場合、細かくちぎった新聞紙を張子紙と同様に全体をぐるりはっていって、その上から半紙をはっていきましょう。新聞紙をはりつけるときに糊付けを丁寧にしておくと、型を抜くときに紙がバラバラならずスムーズに抜けます。
サイズが小さい場合、半紙のみでつくると仕上がりがとってもきれいです。ただ、半紙だけだととても弱いのでこちらも糊付けを丁寧にしておくことが大切です。
3.型を出す
(こちらインコちゃんの型です)紙がしっかり乾いたら、中に入っている型を外していきます。ナイフで切り込みを入れて、ぱかっ!と半分に割って、中の型を抜きます。
抜き終わったら、元のかたちになるよう、切った部分を半紙でふさいで乾かします。
4.胡粉がけ
そして乾いたらやすり、また胡粉がけをし、乾いたらやすり…を数回くりかえします。
5.着色
張子の素地が完成したらあとはアクリル絵の具で着色をしていきます。胡粉ジェッソがもともと下地用のものなので、そのまま着色していくことができます。
絵の具のメーカーに関してはそれぞれ特徴があるのでお好みでいいかと思います。
まとめ
熊手も張子も独学で作ってきてしまったので、何が正しくて何が間違っているのかもいまだにわかりませんが、あれこれ調べて試行錯誤の後できたかたちなので、これはこれで作りやすい方法かと思います。N山の作り方でよければどうぞ参考になさってください。
より詳しい作り方はこちらから
※(5)の着色に関しては特に書いていません。アクリル絵の具や顔料インクのペンで塗ったり、シールを貼ったりして楽しく仕上げてくださいね。