〜思考ぐせをほどく、やさしい問いかけ〜
気づけば、頭の中は「〜しなきゃ」でいっぱい

「ちゃんとしなきゃ」
「頑張らなきゃ」
「自分なんてまだまだ」
ふとした瞬間、そんな言葉が頭の中に浮かびませんか。
どれも聞き慣れた自分の声のようでいて、よくよく耳を澄ませると、なんだかちょっと借り物っぽい。
よくよく思い出してみて。それってもともと誰の言葉かしら。
親? 先生? 昔の上司?
それとも、テレビの中のあの人?
“思考”って、どこからやってくる?
思考って、気がつくと自動で流れてくるんですよね。スマホの通知みたいに勝手にピコンって。
だけどよく考えたら、わたくしたちはその「思考の出どころ」を、ほとんど気にしてこなかったんじゃないでしょうか。
「ちゃんとしたほうがいい」って思いがちだけど、“ちゃんと”って誰基準? “したほうがいい”って、なんでそんなふうに思ったの?
……って問いかけてみたとき、「あれ?これって本当に“自分の本音”かな?」って、
ちょっと足が止まりませんか。
それ、思い込みかもしれないよね

たとえば、人に頼るのが苦手な人がいるとします。
で、なんで苦手なのかってちょっと探ってみたら「迷惑をかけちゃいけない」って思いにたどり着いたりして。
そしてその背景には、子どもの頃、大人の顔色を読んでいた記憶がひっそり息を潜めていたり。
わたくしたちが「当たり前」だと思ってる考えの中には、過去の出来事や、誰かの言葉や、忘れていた感情が、そっと紛れ込んでいます。
それは決して悪いことじゃないんだけど、その感情に気づけたら、もっと自由になれるかも。
思考ぐせに「ほんとう?」と尋ねてみる
「自分はこう思っている」っていうその中身を、一歩引いて眺めてみて。
それだけで、思考はふっとほどけることがあります。
本当にそうかな?
それ、今の自分にもまだ必要?
……そうやって、やさしく問いかけてみるだけで、思考は「自分を守る盾」から「選べるツール」に変わっていくんです。
自分の声を思い出すということ

わたしくたちは日々、たくさんの情報や言葉に囲まれて生きています。
それは便利でもあり、ときに、自分の声が聞こえにくくなる原因にもなります。
だけど、ほんの数分でもいい。「これって本当に、自分の声?」って問いかけてみる時間を持つだけで、思考の奥に眠っていた、やわらかい本音が顔を出すことができるんです。
そこには、がんばりすぎない自分、比べない自分、誰かの期待に応えすぎない自分がいるかもしれない。
それを見つけたとき、わたくしたちは少しだけ自由になれる。
そうやって人は「ほんとうの自分に還っていく」のかもしれないですよね。