こんにちは!おみそです。
前回に続き、友禅作家の春風さんにお話を伺いました。友禅染で作られたピアスの制作風景を交えながらインタビュー後編をお届けします!
「好きなこと」をとことん追いかけた彼女のエピソード、ぜひ楽しんでください!
着物は「気づいたらそこにあった」
——着物に惹かれるきっかけって、いつ頃だったんですか?
いつからとかではなくて、日本の文化とか和歌とか、そういうものが昔から好きだったんです。それで気づいたら、自然に着物も好きになってました。
——じゃあ、意識的に着物を選んだというよりも、自然な流れで?
そうですね。成人式で初めて自分で着物を着た時に「これだ!」って思ったんです。すごくしっくりきたというか。その時に改めて、着物の魅力に気づいたんです。
着物は「キャンバス」
——確かに、成人式での着物って特別ですよね。そこから着物の勉強をしたんですか?
美大では最初、特殊メイクを勉強してたんです。小さい頃から絵を描くのが好きで、メイクもアートの一環として学んでいたんです。
だんだん「着物ってキャンバスみたいだな」って思うようになって。それに、着物は色や模様を通じて何かを表現できるから、染色にも興味が湧いてきたんです。
——着物がキャンバス…すごく面白い発想ですね。じゃあその後に着物の世界へ?
はい。特殊メイクを1年やって、残りの1年はフリーランスで特殊メイクの仕事をしながら海外を旅してました。
日本に染まり切る前に海外へ行って色々と見て学ぼうと思ったんです。でも、ずっと着物のことが頭にあって、帰国後に着物の専門学校に進むことに決めました。
技術を磨いた京都での1年間
——その後、京都で修行もされたんですよね?
はい。専門学校を卒業してから、京都の工房で約1年、伝統的な技術を学びました。実際に手を動かして、職人さんたちからいろいろな技を学ぶ毎日で、本当に貴重な経験でしたね。
——京都って、やっぱり着物の文化が色濃く残っている場所ですよね。
京都で学んだのは技術はもちろんなんですが、職人さんたちの「ものづくり」に対する姿勢です。それを見て、「私も自分の作品をもっとしっかり作っていこう」って思いました。
東京に戻ってからは、自分のブランドを立ち上げて、着物の染色やアクセサリーを作る活動を続けています。
ピアスの制作工程「色差し」を拝見!
——アクセサリーも作っているんですね!どんなものを手掛けているんですか?
着物に使われる生地を使って、ピアスやイヤリングなどを作っています。友禅染めの技術を活かして、もっとカジュアルに日本の伝統を楽しんでもらえるようなアイテムを作りたかったんです。
——この可愛いピアスも一つ一つ丁寧に作られているんですね
着物と同じように、デザインも染めるのも全て自分でやってます。今やっているのは「色差し」という工程です。
着物の記事にデザインを描いて、そこに筆で色を加えていきます。
——おお〜。こういうの初めて見ました!
なかなか見る機会はないですよね(笑)
——このデザインの縁取りもとても美しいですね!!何でされてるんですか?
これは糸目ゴムという着物に使う染料です。これで縁取りをしてから色を入れていきます。
昔はもち米で縁取りをしていたみたいなんですけど、日持ちしないし腐ってしまうのが問題だったんです。今はもち米を使う人はほとんどいないですね。
おわりに〜好きを追いかける「無我夢中」な日々〜
——和物が好きな人にとっては、日常的に着物の美しさを取り入れられるのは嬉しいですね。最後に、春風さんが「無我夢中」で着物の道を選んだ理由、聞かせてください。
そうですね…やっぱり、自分が「好き」なものを追いかけてきた結果だと思います。
着物に進むか、普通のファッションに進もうかと悩んだのですが、やっぱり着物の染色って、絵を描くように表現できるから、自分にとっては一番楽しいんです。
——まさに無我夢中に着物の世界へ飛び込んだんですね。春風さんのお話を聞いて、着物の奥深さと、何より春風さんの情熱が詰まった作品に感動しました。ありがとうございました!
インタビュー後記
春風さんの話を聞いていると、好きなことに向かってひたむきに進む姿が伝わってきます。「無我夢中」で好きなものに取り組むことが、彼女の作品の中にしっかりと表現されています。これからも、春風さんがどんな作品を生み出すのか楽しみです。
「むがじん」では、これからも無我夢中で何かに取り組む人たちのストーリーをお届けします。次回もお楽しみに!