漆喰に絵を描くようになって48日。
締切に追われたり、屋根のお仕事でくたくたになったりもするので、毎日描いてはいないけど、今日まで描いたのは38点。
とはいえ、作品はアナログだし、ペラペラしたものでもないからだんだん置き場に困り始めた。
大きなものではないけれど、漆喰や岩絵具だったりするので、ほいほい重ねたりもできない。
部屋にある祭壇に捧げてたけど、そこもぎゅうぎゅうになっちゃって板の上に広げてある。
額縁もひとまずのかたちが見えてきたのでいくつか額装した。額装すれば重ねたりはできるようになるものの、むしろかさばるサイズに。
このままでは家に神様があふれかえってしまう……なんて思ってたら。
幸い、描いた絵を欲しいという声がちらほら届いて神様の行き先が決まりはじめた。
しかし決まらなかったのはその金額。

神様の値段
イラストレーターとして四半世紀ほどやってきたけど、こういう作品の値付けは慣れていない。
それどころか、いまさら「神様を売り物にするのか」という点で悩んだ。
これまでデジタルで描いた作品は神様の絵だったとしても量産可能なことと、これまでのイラストレーターとしての感覚で値段をつけるのに悩むことはなかった。
漆喰に描き始めた神様たちはこれまでのものとは何かが違う。アナログだから、一点ものだから、というだけではない何かが違った。
自覚があるようでなかったんだけれど、これまで描いてきたデジタルの作品と比較して、漆喰に描いた作品はとても良いらしい。