静かに壊れゆく家族の物語。
2018年11月23日(金)に日本での公開がスタートした『イット・カムズ・アット・ナイト』(原題:It Comes at Night)を観てきました。
公開初日に観に行ったんですけど今回も無料鑑賞券の消費が目的で、予告編なんかで気にはなっていたもののそれほど期待していたわけではありません。
同じ製作陣の作品である『イット・フォローズ』(原題:It Follows)がそんなに好みじゃなかったっていうのが期待値を下げてましたね。
ちなみに『イット・フォローズ』は完全なるオカルトホラーでしたが、今回の『イット・カムズ・アット・ナイト』は極限心理スリラー。
どう考えても心理スリラーの方が私好みですし、ホラーが苦手な旦那と一緒に観ても安心。その証拠に「全然怖くなかった」って言ってました。
そう、怖くなかったです。『イット・カムズ・アット・ナイト』は怖くなかったんです。
あらすじ
夜襲い来る“それ”の感染から逃れるため、ある一家が森の奥深くにある一軒家に、外界との接触を断ちひっそりと暮らしていた。
しかしある日、そこに別の家族が助けを求めて転がり込んでくる。うまく回り始めたかに見えた2組の家族の共同生活。
しかしある夜、固く閉ざされていた禁断の赤いドアが開き、彼らの静寂が破られる…ひたひたと迫り来る闇と、疑心暗鬼が渦巻く世界。92分の絶望が、あなたを襲う。
(映画『イット・カムズ・アット・ナイト』公式サイトより引用)
「しかしある」が連用されていることに引っかかりますが、ざっくりとしたあらすじはこんな感じです。
2017年にアメリカで公開された際、『イット・カムズ・アット・ナイト』は批評家からは高評価を与えられたそうです。しかし観客からの評判は悪く、興行収入は予想を下回る結果に。
まぁ確かに万人受けする作品ではないですし、ホラーだとしてもスリラーだとしても物足りなさを感じる人は多いのかもしれません。
でも私はキャッチコピーの「外には恐怖。中には狂気。」ってフレーズにものすごく納得しましたし、納得すると同時に切なさややるせなさを感じました。
『イット・カムズ・アット・ナイト』は、作品を反芻すればするほど何とも言えない苦しさを味わわせてくれる、なかなかおもしろい作品だと思います。