外には恐怖。中には狂気。『イット・カムズ・アット・ナイト』/ちぃろの映画感想文

“家族を守る”に憑かれた父親たち

『イット・カムズ・アット・ナイト』は、感染の恐怖から家族を守る父親の物語です。

作品に登場する二組の家族は、それぞれ父・母・息子という構成。どちらの家族のお父さんも妻子を守るために必死です。
なんでそんなに徹底してんの?容赦なさすぎじゃね?やりすぎじゃね?ってツッコミたくなるくらい頑張るお父さんたち。

守りたい家族の形・幸せは人それぞれ。
だからこそこの二組の家族は、あんな結末を迎えてしまうんです。

あの結末を迎えた理由がわかった時、とってもとっても切ない気持ちになりました。
大切な家族を守るためにどれだけ葛藤していたか。心が壊れていくのを必死で隠し、常に“家族を守る父親”でいることがどれほど苦しかったか。

“父親”って大変なんだね。
“家族を守る”って大変なんだね。

おわりに。

個人的に、前回感想文を書いた『クワイエット・プレイス』と今回の『イット・カムズ・アット・ナイト』には共通点があると思っています。
世界が危機的な状況に瀕した時、自分ならどうするのか。大切な家族を守ることができるのか。そのために全てを犠牲にできるのか。

自己犠牲の精神って大嫌いなんですけど、いざとなったら私も発揮しちゃうと思うんですよね。
自分のために大切な人が犠牲になるのは許せないけど、大切な人のために自分が犠牲になるのは厭わないなんて、人間って本当に勝手。

守りたいものを守る。どんなことをしてでも。自分が壊れても。

そんな覚悟を持ったお父さんの姿を『イット・カムズ・アット・ナイト』で堪能してください。
ちょっとビックリすることはあっても、怖くて泣いちゃうようなことは(たぶん)ありませんのでご安心を。

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