あの革命家、チェ・ゲバラの青春を描いた映画
実話を基に製作されているのでドラマティックな盛り上がりは特にない映画。
若者2人の貧乏バイク旅行を通じて若きチェ・ゲバラともうひとりの成長を描いた作品ですね。
ダンゴ、ルンバなどラテンアメリカの風景や文化が楽しめます。
チェ・ゲバラと聞いた事はあってもキューバでなんかやった人くらいの認識でしたが、昔から気になっていたので視聴しました。
見終わった後でwikiでチェさんのことを調べてしまいました。
ゲバラさんとは
アルゼンチン出身、医師、革命家、社会主義者。世界各地の革命を支援して回り、キューバ革命を成功させた立役者の1人です。
今でも南アメリカでは、人気でその顔がTシャツの柄になってたりしてますね。
革命活動の途中、39歳でこの世から去ってます。
ちょうど10月8日で没後50周年でした。
ちなみに一緒に旅したアルベルトも後に化学者として成功しております。
社会主義に目覚める
ゲバラさんは、この旅のなかで、先住民のおかれた抑圧され搾取された状況を見聞するなか、マルクス主義に惹かれていったみたいです。
映画の後半は、こういった描写が中心でまったく話としては、盛り上がりません。
基本的に真面目な2人になるので、映画として楽しめるようなエピソードがないのでしょう。
最後に流石にこれじゃ映画として盛り上がらないよな少し感動的なシーンを入れよう的な流れになってますが、蛇足感が半端ないです。
個人的感想 ※ネタバレ
ゲバラが途中で出会う不幸と思われる人々についてこう思ってました。
・喘息なのに治療を受けられず死んだ老女
治療が受けられなくとも十分に天寿を全うして良かったと思う。
・地主に追い出され放浪している夫婦
預けた子供とは離れてしまってますが、夫婦一緒でがんばってるな!2人でいられてよかったね!
・ハンセン病で隔離されている人々
家族とも会えず、病気ということで治療してくれている修道女からさえも差別されていますが、一生懸命に生きていけば良い。
同じ状況の仲間がいる方が支え合えるし、世間に出ればひどい差別を受けていただろう、隔離していたのも悪いもんじゃないな。隔離の程度の問題であって、現代でも似たようなことをしている。
人は、そもそも平等でないのにそれを平等にしようとする考えのほうが強引だな
…と考えていましたので、ゲバラが社会主義的な思想に目覚めたのがまったく伝わらない結果となりました。
資本主義と社会主義
個人的には、歴史的に資本主義と社会主義を分けることが間違っていたのだと思います。
片方を意識するから、違いが生まれたと錯覚し、自分の信じるものの正当性を証明するがために、闘いになったのでしょう。
最近の世界情勢を見ても、どの国家も双方の要素を取り入れ思想的には、中立的になってきています。
本来は、同時に成立するはずの2つの思想が、権力闘争のなかで上手く利用されてしまった感があります。
キューバもアメリカと国交を正常化させつつある今の世をみたら、ゲバラさんも安心するんじゃないでしょうか。