ほりたみわのかけらを拾う旅日記(1)「旅立ち〜淡路瓦」

2023年1月10日(火)……二人は旅に出た

旅の出発は突然。基本的に「行き当たりばっ旅」なわたくしですが、今回の旅は出発そのものも急に決まりました。

あ、どうも。ほりたみわです。絵を描いたり、熊手をつくったり、土地を鎮めたり、思考を手放すお手伝いをしたり……「直感」を活かして生きております。そして時々瓦職人。

というわけで、突然決まった今回の旅。初詣旅行みたいなものかと思いきや、まさかまさかの「ほりたみわのかけらを拾う旅」になりました。

ほりたみわのかけら

幼少期のほりたみわ
「岡山の草花遊び」に掲載されていたほりたみわ。手に持っているのはクズで作ったムカデ。(保育園の頃)

生まれてから小学生時代までを過ごした岡山。中学時代は韓国ソウルで過ごし、高校は香川にある学校に進学し、過ごしたのは香川と岡山。

大学で東京に行き、それから関東を転々とし、山梨で8年過ごし、富山に来て4年が過ぎました。

転々とした落ち着きのない人生。だからこその経験はたくさんしてきましたが、それゆえ「故郷」を感じることの少ない、それはそれでちょっとさみしい人生なのかなと思ったりもしておりました。

が。久しぶりに生まれ育った地に行ってみて感じたのはやっぱり「故郷」でした。

あの頃そこにあったものはあったりなかったりだったけど、身体を駆け巡るのはとても懐かしく嬉しい思い。

とはいえ、あまりに久しぶりの故郷はタイムマシンに乗って突然未来に来たみたいで、なんともいえない不思議な気持ちになりました。

そしてよく知ってるはずの土地も時代が変わり、少し違う場所に移動しただけで漂う、初めまして感。懐かしさと新しい発見の混在する旅でした。

駆け足で綴ってもなにやら長い旅行記になりそうですが、お付き合いいただければ幸いです。

突然の旅立ち 2023/01/10

スケジュール的にいろいろありまして、初詣旅行は行けると思っていなかったところに「今だ!!」的な瞬間が。そのイキオイで旅立ちを親方が決意。

鳩が豆鉄砲すぎて、感動よりびっくりが勝りながらも感涙しましたわたくし。親方ありがとうございます。

旅なんて着替えと仕事道具さえ持っていればどうにでもなるもんね!

毎週月曜日の夜配信している「しあわせ味噌得ラジオ」を終え、準備もそこそこに、少し寝てから高速道路の深夜割引を狙って夜中に出発。

運転は元長距離ドライバーもしていたという親方にまかせつつ、わたくしは助手に徹します。

淡路島って何があるの?……瓦です!!!

布袋さんと恵比寿さん

石川、福井、滋賀、京都、兵庫を通り、淡路島に突入!

淡路島って何があるかご存知ですか?渦潮?玉ねぎ?ええ、そうなんですが、忘れてはいけないのが淡路瓦です!!

わたくし瓦職人3年目に突入したというのに、淡路島が瓦で有名なことすら知らず……。いや、正確には親方から何度か聞いていたはずですが記憶の片隅にも留めておらず。

淡路島を降りる直前に親方からそんな話を聞き、「そんなの行くしかないでしょ!」と興奮してたらちょうどいい場所というかギリギリセーフで突如進路変更。瓦の神様、親方、ありがとうございます!!

瓦の神様に超絶愛されてるほりたみわ

瓦の展示場

ところがですよ。行き当たりばっ旅なものですから、気になった場所に行ってみたものの定休日……なんてことはしばしば。

今回の淡路瓦もまさにそれ進路変更したにも関わらず「南あわじ市産業文化センター」は定休日でした。

ところが!!!

建物の外観眺めて満足して帰ればいいか……なんて思いながらうろうろしてましたところ、入口付近に来たタイミングでセンターの方が鍵を持って現れ、「本当は今日定休日なんですけど……」なんて言いながら扉を開けてくれるではありませんか!!!

え!!!定休日なのに!?

なんでこんなどピッタリのタイミングで開けてもらえるんですか!?ありがとうございます過ぎます!

南あわじ市産業文化センター

わけのわからない奇跡に感動しながら館内の展示を楽しむ親方とわたくし。

瓦職人を四半世紀も続けていながら、イマイチ瓦の世界を楽しんでいなかった親方。今では出かける度に楽しい鬼瓦や屋根を見つけたり、旅に出ては各地の屋根を眺めてふたりであれこれ話をするほどに。

二人で旅した京都の屋根で鍾馗(しょうきさん)さんを見つけてからというもの、鐘馗さんをお迎えしたくなった親方。ネットで探していたものの、なかなかこれ!という鐘馗さんが見つからず。

淡路瓦の鍾馗さん

鍾馗さん

鍾馗さんというのは中国で鬼を退治したという伝説の英雄。疫病神を祓い、魔を取り除くと言われています。

淡路の瓦の美しさにうっとりしながらお土産を見ていたらすてきな鍾馗さんを発見!かっこよさとかわいさを兼ね備えたたまらないフォルム!

ところが、この鍾馗さんは別の場所で販売してるそう。念の為お休みを調べたところ、営業中だったので突撃!

淡路瓦の株式会社タツミ

恵比寿大黒

女性の鬼師(鬼瓦を作る人)は今では日本各地で有名になりつつありますが、この株式会社タツミも女性の鬼師が活躍中。

タツミのいろんな瓦作品

ギャラリー内には女性鬼師による美しい作品がずらり。

あれこれ目移りしそうになりましたが、お目当ては鍾馗さん。

鍾馗さん

きゃー!あの鍾馗さん発見!定休日だったはずの南あわじ市産業文化センターで出会えた奇跡!お迎えするためにタツミに来たんですから、連れて帰りますよ〜!!

他にもいろいろ楽しいものを見つけ、開幕からお財布の紐緩みまくりの親方。

そしてここタツミでびっくりしたのは、ここの会長さんが小矢部の人たちと交流があるということ!

たまたま入った淡路島の瓦屋さんで親方の知ってる小矢部市民の名前を聞くだなんて誰も予想できません。しかも瓦全然関係なくというのがさらに驚き。

わたくしと親方の住んでいる小矢部市でも瓦作ってるから、その繋がりで……ならわかるんですけど、瓦じゃなく、まさかのロータリークラブ!

定休日の産業文化センターが絶妙なタイミングで開けられたり、ふらりと訪れた淡路島の瓦屋の会長さんが小矢部市民と交流があるとか、わけのわからない奇跡の連発に驚愕しっぱなしのまま、淡路島を後にして次の目的地というか最初に行こうとしていた徳島の大麻比古神社に向かうのでした。(つづく)

◉株式会社タツミHP

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ABOUT US
ほりたみわ
クリエイター(イラスト、漫画、熊手、ヒーリング、瓦職人) チーママをやっていたスナックランデブーは魂のかたわれ、はるじが肉体の衣を脱いだことにより閉店しました。ときどき企画&プロデュサー。どこにも偏り切れないカラフルな人。