エンタメの売り出し方ー韓流エンタメ
あっという間に2021年1月も後半…。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて今月は「エンタメの売り出し方ー韓流エンタメ」についてです。
かつて歌舞伎町で廻していたら話しかけられて
DJしていて、ありがたいことに話しかけられるわけです。でも見るからにアジア系の人。どこから来たの?なんて最初は英語で。あれ韓国だ。と思うと多少でも韓国語を知ってたので、礼儀かなと思い韓国語で返事すると、一気に距離が短くなります。お約束なのですが韓国人は最初にお互いの年齢を聞きます。一緒だ!とか형님!とか。曲の合間合間にいろんなことを教えてもらえ一気に韓国に興味が湧いた。そんなきっかけで韓国のことが気になりだしました。
韓流エンタメを2つにわけます(僕視点)
1つはK-POPと言われる韓国ポップス。韓国ポップスは日本で言うJ-POPに倣ったと言われています。
日本のJ-POPは90年初頭に国内市場を狙ったのに対して、K-POPは古くは2000年初めから。韓国市場の約30倍ともいえる日本市場も(韓国から見たら諸外国です)視野に入れつつ。国策として諸外国にコンテンツを販売します。(なのでグループのメンバーで3カ国語…母国語、英語、日本語を堪能なメンバーが多い)
2000年以降のK-POPをざっと
2001年BoA、2004年東方神起、2006年BIGBANG,2007年ワンダーガールズやKARA, 少女時代、2008年2AM、2009年2NE1、4minute、2012年PSY (江南スタイル!)2013年BTS、2016年ブラックピンク、などなど、SNS(FacebookやInstagram、YouTube Twitter)を巧みに使い、ワールドワイドへのアプローチを積極的に展開していました。
そのアーティストの活躍を多感な頃に体験した世代(日本で言えば35歳前後)は韓国的な服装や髪型などをライフスタイルに積極的に取り入れてますね。音楽的には BTSは2020年のビルボードで1位を取るなどなど。日本のアーティストは出遅れてる感満載。
PSY 我々世代には懐かしいハマーとの共演 2012年11月
BLACK PINK 野外フェス コーチェラ2019で韓国ポップスグループ史上初の出演
BTS 2020年グラミー賞でLil Nas Xと共演
もう1つは韓流ドラマ。
韓流ドラマで特に有名なのは代表作でいえば「冬のソナタ」ですかね。また映画では「猟奇的な彼女」「私の頭の中の消しゴム」「パラサイト」のヒットも記憶に新しいです。
テレビドラマでは「天国の階段」もあったり、僕が本格的に韓国語を覚えるきっかけになった「星からきたあなた」、昨年から今年にかけて超話題になっている「愛の不時着」「梨泰院クラス」などなど。これらの全作品見た人はすでにアッ!と気付くかもしれません。微妙に出演者が被ってたりします。あの女優の若き日の頃の演技や、あのテレビドラマの主役が、別のドラマで、ちょい役で出てたり…え。まさかのあの二人があの映画に…。そこはそれでお楽しみポイントです。
パラサイト 予告編
愛の不時着 予告編
『梨泰院クラス』公式予告編 – Netflix
韓流ドラマ 人気の秘密は…
起承転結ではなく、起承承転転結。そう言う展開アリなの?という話の進め方。
一瞬味方かと思えば敵になり、口論しているかと思えば、次のシーンで仲良くなったり…国民性で熱しやすく冷めやすいと言われますが感情の起伏が激しいこと激しいこと。
でも、どっかで耳にしたフレーズ。そうは言ってもどこかで見た話の展開。入りやすいと言えば入りやすい。既視感。
どこだっけななんだっけな。という感覚が残るのです。
僕なりの解釈なのですが、韓国ドラマの根底にあるのは「徹底的に真似して独自の進化をさせる」だと思うのです。
過去のウケた作品や(日本のドラマを徹底的に研究してますし)箇所をただ単にもう一回繰り返すのではなく、それこそ独自の解釈を入れて新しいものを作る。 過去の有名なフレーズを効果的に新しい作品に使う。はい。そうです。これってサンプリングですよね。
DJ視点で観る韓流の「サンプリング」
サンプリングは「思想の伝達。史実と系譜の伝承方法」とコラム第5回目でも書きましたが、韓国エンタメが何故に面白いかというと結論は「サンプリング」の技の巧みさです。
K-POP は2000年までJ-POPのサンプリング、それ以降は海外の曲をサンプリングしていき、初めて聴いたんだけど耳に馴染むフレーズが頻出します。映画も同様に日本映画ではなく2000年以降は映画の本場ハリウッドからのサンプリング(カメラワークやシーンの挿入や音楽では劇中で小ネタのようにショパンを取り上げる。愛の不時着で主演女優のソン・イェジンが、作中で「私はショパン好き。」というセリフがあるのですが、韓国映画を見続けている人なら「だよねー」となるシーンです。(単に韓国の人がショパン好きなのかもしれないけど)
手法としてのサンプリングはわかっていても、実際にどう効果的に使うかはDJ的には楽しくもあり大変な作業でもあるのですが、つなぎ方が多少おかしくても勢いとノリでなんとかなっちゃうんですが、その勢いとノリを韓国ドラマから感じます。
最近は韓国に居なくても著名な作品はネットフリックスやAmazonプライムで視聴できますので、家で過ごす時間が多い方はぜひこの機会に韓流を触れてみてください。英語や韓国語がわかるといろんな文化がわかってきますし、多少でもフレーズを知ってると解釈に深みが出てきます。(本屋で買う教科書よりも最近のドラマの若者が使う韓国語は聞いてて楽しいし、映画見ているだけでいくつものフレーズは覚えられます)
さてお約束の選曲です
こちらです。より楽しめるように前半はK-POP。後半は韓流の映画という構成です。
BTSのDynamiteは最初聞いたときにBruno Marsか某ジャ○ーズの曲かって思うくらい超POP。