
はるじが肉体の衣を脱いでしまったことをきっかけに、はるじの友達と集まるようになった。
それまではバラバラと年に1〜2回、ランデブーに飲みに来てくれていた人たちが、いなくなってしまったはるじの家に集まって、昔の写真を眺めてはあーだこーだ話したりしていた。
そんなふうにして集まっていたある日。
夜がふけていくうちに、ひとり、またひとりと眠りにつきはじめ、最終的にじゅんとふたりで話すことに。
この日の少し前、じゅんがはるじのおうちの屋根の点検と修理をしてくれていた。おうちにきた時に屋根が気になったらしい。さすが職人。
点検と修理のお金はいらないって言ってくれたものの、何かしらお礼がしたかった。
今ここで出来る何か……スピリチュアル込みで人生相談みたいなものなら。
じゅんさえよれけばいくらでもお話聞くよ〜なんて言って、話を聞き始めたらそれはじゅんの人生でとても重要な話をしてくれた。
消えたじゅんの笑顔
その時、いつものじゅんのすてきな笑顔はなかった。
お話してくれたのはじゅんの家族のこと。もうずっと家で笑ったりしていないことを教えてくれた。
プライベートなことだから詳しい話は書かないけれど、その話を聞いてじゅんに伝えたのは「誰かが悪いわけではない」ということ。みんなのちょっとした思いや行動によって今の状況が出来上がってしまっているだけ。
そして「物事を俯瞰して捉えること」と「自分が変わること」の大切さについてもお話しした。
じゅんの笑顔が消えちゃうほどのことなので、これはきちんと状況を理解するためにも家族のみんなともお話がしたいことを伝えた。
そんなこんなで夜はふけて……どころか、朝になって、集まったみんなも目を覚ましてそれぞれのおうちに。
じゅんとじゅんの家族が笑顔で暮らせるようになること
それからというもの、わたくしの頭の中は「じゅんとじゅんの家族が笑顔で暮らせるようになること」でいっぱい。
頭の中だけではなく、実際にたくさんの時間を費やした。
じゅんだけではなく、じゅんの家族ともたくさん話をした。時間を見つけてはLINEをしたり、直接会って話もした。仕事をそっちのけにしてしまうほど一生懸命に。
持てる知識を総動員して、みんなが笑顔で暮らせるようになるための考え方や行動について伝え続けた。
でもダメだった。
自分が変わることの大切さについて理解してくれたのはじゅんだけだった。
それでもみんなからいろんな話を聞きながら伝えることは続けた。
不倫をしたのは寂しかったからじゃない

不倫をしたのは寂しかったからじゃない。はるじのことは今でも愛してる。