【日々を記録する】ビエンナーレTOYAMA2023編

皆さんこんにちは。
梅雨が来て、ジメジメとする蒸し暑い日が続きますが、夏らしいことはもう始めていますか?

僕はというと、夏といえば下地!といった感じで、漆に関しては暑くてジメジメが硬化に最高なので、下地仕事メインで次の展覧会に向けての制作を進めている、といった感じです。

趣味のよさこいもシーズンに入り、適度に運動もしながら制作に励んでおります。

さて、今回はビエンナーレTOYAMA2023編ということで、現在出品中の作品についてのお話を少し出来ればと思っております。お手隙の間にでも、是非興味を持っていただければ幸いです。

◆怪鳥の面〜犬鳳凰〜◆

「怪鳥の面〜犬鳳凰〜」2023
・技法: 乾漆、変わり塗
・素材: 漆、麻布、和紙、金属粉、金箔、真鍮箔、卵殻、鮑貝
・サイズ: h1050×w1050×d250mm

伊予(現在の愛媛)に伝わる「波山(ばざん)」という怪鳥を調べていると、その別名が「犬鳳凰(いぬほうおう)」ともいう、とされており、そのパワーワードに引っ張られて、自分なりに妄想した怪鳥をモチーフとした仮面作品を制作しました。

仮面には、古来より人々が神を降ろす、何かになる、自身を解放する装置として、また、魔除けとしての役割があります。

ある文献によると、人と自然、精霊とを繋ぐ間に仮面が存在するとも言われています。そんな仮面には、人の希望や願いと同時に怨念や呪いのようなものも混じっており、その存在感が醸し出す一種の「毒」のような力強いものを作品に宿せるといいなぁと思っています。

漆は一般的なイメージにおいて、艶々で磨かれた仕上げ……呂色(ろいろ)仕上げをイメージされる事が多いですが、僕にとっては、塗料でありながら接着剤としての役割も併せ持つ漆が、漆以外の異素材(金属、卵殻、布、貝、革、和紙等)を取り入れながらひとつの作品となる様子に非常に興味を持っています。

作品を鑑賞する中で様々な素材による表情の移り変わりを感じ、同時に心の形も移り変わるような、そんな景色を演出出来ればなと思います。

◆憧憬を抱く◆

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ABOUT US
畦地拓海漆芸家
1990京都府亀岡市生まれ。 日々を生きる中で沸き起こる感情や情景を記録するように、どこかで忘れてしまった事を思い起こさせるキッカケとなるような作品をテーマに制作を続けている。