カラテカ矢部太郎『大家さんと僕』(新潮社)/ちぃろの読書感想文

大家さんの押しの強さにたじろぐ姿も、優しさに触れて戸惑う姿も、周りからからかわれて慌てる姿も、とてもとてもかわいい。
たまに見せる下世話な一面も人間らしくてかわいいし、この本を読んで矢部太郎への印象が変わったことは揺るぎない事実である。

今度テレビで見たら、泣いちゃうかもしれない。

 

このふたりだからこそ

『大家さんと僕』を読んでいると、「いいなー!こんな大家さんのいるアパートに住みたーい!」
と思うかもしれない。っていうか、絶対思う。

だがしかし、あなたがもしこのアパートに住んだとしても『大家さんと僕』のようにはならないだろう。
この関係は、大家さんと矢部太郎だからこその関係であって、大家さんと矢部太郎だからこそのあたたかさなのだ。

他の誰でもない矢部太郎だからこそ、大家さんはあんなにもかわいらしいおばあさまでいられるのだ。
他の誰でもない大家さんだからこそ、矢部太郎は大家さんを愛おしく思うことができるのだ。

そんなふたりの素敵な関係が、1日でも長く続くことを私は願ってやまない。

 

まとめ

矢部太郎『大家さんと僕』を私の旦那にも読ませてみた。
「かわいいばあちゃんやな」とあっさりとした感想をもらったが、読み始めてから一度も本を置くことなく読み続けていた姿を私は見逃さなかった。

ほんわかのんびりしたあったかいだけのお話だと思ったら大間違いだ。
『大家さんと僕』は、きちんと構成された、読ませる力のある、素晴らしい漫画作品である。

ぜひ、手に取っていただきたい。